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朝乃山の初優勝を後押しした複数の要因とは?

2019 5/28 15:00橘ナオヤ
イメージ画像ⒸJ.Henning Buchholz/Shutterstock.com
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ⒸJ. Henning Buchholz/Shutterstock.com

令和初の本場所は58年ぶりの快挙

新元号「令和」初の本場所となった五月場所は、西前頭八枚目の富山県出身力士、朝乃山の幕内総合優勝で幕を閉じた。三役経験のない平幕力士の優勝は58年ぶりで、前回の富山県出身力士の優勝は実に100年以上さかのぼる。

朝乃山は現在25歳。2017年九月場所で新入幕を果たすと、今回の五月場所までに敢闘賞を2回受賞している。最高位は西前頭五枚目。相撲のスタイルは非常にオーソドックスと言える。187cmの長身で、これまで大きな怪我もなく、丈夫な身体を持つ。取り口は右四つがめっぽう強く、突っ張りも強烈だ。得意な決まり手は寄り切りとすくい投げ。

春巡業中には上位陣に稽古をつけてもらい、四つ相撲に磨きをかけた。ただ先手を取れないことが多く、番付上位相手にしっかり勝ち切れた相撲はそう多くはなかった。

だが、いざふたを開けてみたら12勝3敗の好成績。これはもちろん朝乃山がすばらしい相撲を取ったからこその結果だが、それ以外にも、様々な巡り合わせによって生まれたともいえる。

取組編成の幸運

朝乃山が優勝できた最大の理由は、得意な形で一番一番しっかり取れたことだ。だがそれとは別に、番付の妙も勝因に挙げられる。朝乃山の今場所の番付は前頭八枚目で、これは上から12段目に位置し、上中下で言えば中位、上下で分ければ下位とみなされる順位だ。

大相撲の取組みは、初日と二日目は場所直前に、その後は前日に取組編成会議が決定する。幕内の場合、原則として下位力士は場所前半のうちに番付けの近い力士同士との対戦が組まれ、上位力士は逆に同地位の力士との対決は千秋楽に近づくにつれて行われる。

そのため朝乃山は、初日は同地位にあたる東前頭八枚目の魁聖と対戦。この後十一日目まで、上は前頭五枚目(九日目の竜電)、下は十三枚目(十一日目の佐田の海)と、自分と番付の近い力士との対戦が続いた。

この十一番の取り組みで10勝1敗とすばらしい成績を残し、優勝争いに残ったことで、十二日目以降の取組みは上位陣と組まれることに。玉鷲(前頭三枚目)、栃ノ心(関脇)、豪栄道(大関)、御嶽海(小結)と対戦した終盤戦でも2勝2敗の成績を残し、十四日目には優勝を決めた。

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