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東京六大学野球秋季リーグ戦10日開幕、注目のドラフト候補は?

2022 9/10 06:00内田勝治
明治神宮球場,ⒸMorumotto/Shutterstock.com
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ⒸMorumotto/Shutterstock.com

プロ入り狙う4年生

東京六大学秋季リーグ戦が10日、神宮球場で開幕する、春季リーグ戦では明治大学が6季ぶり41度目となる優勝を果たした。秋季リーグ戦はプロ入りを狙う4年生にとって最後のアピールの場となる。10月20日のドラフト会議へ向け、注目の4年生をピックアップする。

早稲田大学・蛭間、現役最多本塁打をどこまで伸ばせるか

蛭間拓哉外野手(浦和学院)左投左打

東京六大学現役最多の通算12本塁打をマークする左の長距離砲。長打だけではなく、強肩を生かした守備も魅力。足も速く、通算56試合で8盗塁をマークしている。小学校時代には埼玉西武ライオンズジュニアに所属していた縁もあり、西武など数球団がドラフト上位候補に挙げている。

通算成績 56試合 185打数51安打、打率.276、12本塁打、34打点、8盗塁

中川卓也内野手(大阪桐蔭)右投左打

2018年に大阪桐蔭で甲子園春夏連覇を果たした主将。早稲田大学でも主将を務める。東京六大学の選手としては一番早く、9月2日にプロ志望届を提出した。3年秋に打率.333とキャリアハイの活躍を見せ、初のベストナインを獲得したが、通算打率は.224と低調なだけに、ラストシーズンでどこまでアピールできるかが鍵となる。

通算成績 64試合 232打数52安打、打率.224、0本塁打、17打点、3盗塁

慶応義塾大学、守護神の適性が高い最速152キロ右腕・橋本

下山悠介内野手(慶応)右投左打

1年秋から三塁のレギュラーをつかみ、打率.349でベストナインに選出。ここまで3度のリーグ優勝と2度の日本一に主力として大きく貢献してきた。左右に打ち分けることのできる巧みなバットコントロールには定評がある。まずは主将として今春2位に終わった雪辱を果たし、プロ入りに弾みをつけたいところだ。

通算成績 65試合 239打数69安打、打率.289、4本塁打、24打点、3盗塁

橋本達弥投手(長田)右投右打

兵庫県の進学校である長田出身の本格派右腕。3年春から守護神に定着し、今春は最優秀防御率のタイトルを初受賞した。最速152キロの直球とフォークを武器に、8月に行われたプロアマ記念試合では1回を完全、藤原恭大(ロッテ)、ブライト健太(中日)から三振を奪うなど、スカウトの評価も日に日に増している。

通算成績 26試合 1勝1敗、防御率1.18、投球回53 1/3、42奪三振、自責点7

明治大学・村松、チーム13年連続ドラフト指名必ず

村松開人内野手(静岡)右投左打

俊足巧打を武器に3年春からレギュラーとなり、2季連続打率3割をマーク。主将として迎えた今春は2月に右膝のクリーニング手術を受けた影響で3試合のみの出場にとどまったが、プロの評価は不変だ。来年は最速149キロ右腕の蒔田稔投手(3年、九州学院)、再来年は今春の首位打者・宗山塁内野手(2年、広陵)がドラフト候補に挙がるだけに、12年続く史上最長の連続指名記録を自分たちの代でストップさせるわけにはいかない。

通算成績 38試合 115打数36安打、打率.313、1本塁打、16打点、9盗塁

立教大学・山田、長嶋一茂以来の野手ドラフト1位入団狙う

山田健太内野手(大阪桐蔭)右投右打

身長183センチの大型二塁手。1年春から主軸を任され、ここまで東京六大学現役最多の通算75安打を放つ。長打力も魅力で、二塁手が手薄な球団は是が非でも獲得したい選手の一人。今秋こそ2017年春以来の優勝を飾り、立大野手としては1987年の長嶋一茂(ヤクルト)以来となるドラフト1位でのプロ入りを果たしたいところだ。

通算成績 71試合 248打数75安打、打率.302、7本塁打、30打点、2盗塁

荘司康誠投手(新潟明訓)右投右打

3年春にリーグ戦初登板を果たすと、188センチの長身から投げ下ろす150キロ超の直球を武器に他大学の並み居る強打者を圧倒。打撃もよく、今春は2本塁打を放った。8月に行われた東京六大学オールスターゲームでは先発で最速157キロをマークするなど、まだまだ発展途上なのも大きな魅力だ。

通算成績 17試合 2勝1敗、防御率2.56、投球回81、73奪三振、自責点23

法政大学・齋藤、プロでも発揮したい抜群のリーダーシップ

扇谷莉投手(東邦)右投右打

ここまで7試合の登板にとどまっているが、左足をクロス気味に踏み出す独特のフォームから繰り出される最速148キロの直球は威力十分。身長188センチ、体重95キロと大型の体型も持ち味の一つで、今秋のアピール次第ではプロで活躍できる可能性を十分に秘めている。

通算成績 7試合 0勝1敗、防御率9.35、投球回8 2/3、7奪三振、自責点9

齋藤大輝内野手(横浜)右投右打

1年春からベンチ入りし、3年春に打率.342、3年秋は打率.438で2季連続ベストナインに輝いた。広角に打てるシュアな打撃が持ち味。通算14盗塁と足も速く、走力を生かした広い二塁守備範囲も魅力だ。小、中、高、大と全カテゴリーで主将を務めるなど、抜群のリーダーシップを誇る。

通算成績 51試合 147打数45安打、打率.306、4本塁打、20打点、14盗塁

東京大学・松岡泰、悲願の最下位脱出手土産に赤門初の捕手プロへ

松岡泰希捕手(東京都市大付)右投右打

二塁送球1秒85と東京六大学の中でも屈指の強肩を誇る赤門の女房役兼主将。東大出身のNPB選手は過去6人いるが、いずれも投手として入団。捕手としてプロ入りとなれば史上初となる。課題の打撃で結果を残し、1997年秋以来となるチームの最下位脱出に貢献すれば夢がグッと近づいてくる。

通算成績 47試合 114打数21安打、打率.184、0本塁打、8打点、3盗塁

その他にも慶応大学で今春5本塁打を放った萩尾匡也外野手(文徳)、通算11勝の増井翔太投手(彦根東)、立教大学のスピードスター、道原慧外野手(駒大苫小牧)ら注目の選手がアピールの時をうかがう。コロナ禍の影響を受け続けながらもたくましく成長した4年生のラストシーズンから目が離せない。

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