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甲子園ボウルで悲願の初優勝を狙うワセダの野望

アメリカンフットボールⒸShutterstock.com
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最終節で法大に勝てば関東学生リーグ制覇

甲子園と言っても野球の話ではない。今年5月、日大選手の悪質なタックルに端を発した問題で世間を騒がせたアメフトの話だ。日大が出場停止となったため、7校で行われている関東学生リーグ1部TOP8。11月25日の最終節を残して首位に立っているのが早大だ。

高岡勝監督が就任して2年目、多彩な攻撃と変幻自在のディフェンスで順調に5つの白星を重ねてきた。最終節は4勝1敗で2位の法大と激突。勝てば2年ぶりの優勝が決まり、12月2日の東北大との東日本代表決定戦に駒を進める。アメフト界では地方と中央の実力差は大きいため、順当なら12月16日の甲子園ボウル出場を決めるだろう。

甲子園制覇は早大にとって悲願だ。過去4度出場したものの、いずれも敗退。特に2015年は立命大と大接戦を演じた。第3クオーターではいったん逆転するなど一進一退の攻防。試合終了間際には決めれば逆転のFGを外し、わずか1点差で敗れた。早大が最も日本一に近づいた瞬間だった。

劣勢の東日本勢に追い風?

東日本と西日本の代表が日本一を争う甲子園ボウルは、西日本の40勝28敗4分けと東日本は劣勢を強いられている。特に日大の黄金時代が終焉した1991年以降は西日本が23勝、東日本は5勝(両校優勝1度含む)と圧倒されている。

近年の甲子園ボウル成績


ⒸSPAIA

ただ、2016年から甲子園ボウル出場校を決めるトーナメントに関西リーグ2位校も組み込まれたため、昨年は関西2位の関学大が甲子園ボウルに出場するという事態が起きた。プロ野球で、パ・リーグ2位だったソフトバンクがクライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズに出場したのと同じだ。

関西2位だからという訳ではないが、昨年は10連敗中だった東日本勢の日大が勝利を収めた。紛れが生じる可能性のある現行ルールは、早大にとって追い風となる可能性もある。

早稲田大学米式蹴球部は、ポール・ラッシュ氏という牧師らが中心となって設立された「東京学生米式蹴球競技連盟」に、立教大と明治大とともに参加。日本のフットボールのルーツ校のひとつとされる。その歴史ある早大ビッグベアーズにとって「学生日本一」は、是が非でも欲しい称号なのだ。

日大問題で地に落ちた学生スポーツのイメージアップも担う

日大のタックル問題で大きく揺れた2018年の大学アメフト界。日本中を巻き込んだ大きなうねりは、アメフトにとどまらず、指導者や大学の在り方まで問われる大騒動に発展した。これを受け、早大を含む関東学生アメリカンフットボール1部リーグ監督会は、10月29日に声明文を発表している。

「日本スポーツ界では現在、さまざまな問題が噴出しています。さしたる根拠のない旧態依然とした『伝統』や、自由にモノを言うことができないパワーハラスメントのような上意下達の雰囲気、あるいは独善的な指導者や協会関係者の存在。フットボール界においても、日本大学の守備選手による危険なタックルに端を発し、大学のガバナンスまで問われることになった一連の問題がありました」とし、「アメリカンフットボールが学生スポーツの健全な発展をけん引し、日本のスポーツ界の改革の先駆けとなるよう、尽力していく所存です」と記している。

地に落ちた学生スポーツの信頼回復、イメージアップには明るい話題が欠かせない。日本全国にOBのいるワセダが甲子園で悲願の初優勝を果たせば、最高の特効薬になることは間違いない。

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