ダウン奪ってWBOグローバル王座獲得
プロボクシングのWBOスーパーバンタム級5位ジョンリエル・カシメロ(34=フィリピン)が13日、フィリピンの高級カジノホテル「オカダマニラ」でWBOグローバル同級王者フィリップス・ンギーチュンバ(27=ナミビア)と戦い、12回判定勝ちした。
立ち上がりから積極的に前に出て力強い左右フックを強振し、12勝(11KO)1敗のンギーチュンバをコーナーに詰めるなど優勢に進めたカシメロ。6回開始早々に左フックでダウンを奪ったが、立ち上がったンギーチュンバを倒し切ることはできない。
約4年ぶりの母国での試合に力みすぎたのか終盤は下がる場面も多く、スタミナの不安を露呈。それでもジャッジペーパーは116-110が2人に114-112が1人の3-0で判定をものにし、WBOグローバル王座を獲得した。
昨年12月に韓国で赤穂亮(横浜光)に2回KO勝ちして以来の試合で戦績を33勝(22KO)4敗に伸ばし、改めて世界挑戦をアピール。34歳になっても闘争心とエネルギッシュな攻撃は衰えていないことを証明した。
バンタム級時代は井上尚弥を盛んに挑発
気になるのは今後の動向だ。現在、WBOとWBCの同級王座を保持しているスティーブン・フルトン(28=アメリカ)は、同級1位の井上尚弥(30=大橋)と7月25日に東京・有明アリーナで戦うことが決まっている。
今回の勝利でカシメロはその勝者への挑戦に一歩近付いたと言えるだろう。WBOバンタム級王者時代は対立王者だった井上を盛んに挑発し、両者の対戦が期待されたが、カシメロは試合キャンセルなどトラブルが多かったため王座を剥奪され、実現しなかった経緯がある。
カシメロとプロモート契約を結んでいる「トレジャーボクシングプロモーション」の伊藤雅雪氏はSPAIAのインタビューに対し、井上尚弥との対戦実現へ意欲を示しており、今後の成り行きが注目される。
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