「荒れる名古屋」は大関不在、2横綱が牽引
「荒れる名古屋」と呼ばれるが、令和になっても波乱を生んだ。それは、4人の大関全員が休場したこと。場所を引っ張った2横綱とは対照的なものとなってしまった。
優勝争いは横綱鶴竜と白鵬の一騎打ち。鶴竜が千秋楽の結びの一番、横綱同士の直接対決で白鵬を下して、見事に賜杯を手にした。成績は14勝1敗。横綱在位32場所目にして7場所ぶり6度目の優勝だった。
対する大関の豪栄道、高安、貴景勝、栃ノ心の4力士全員が休場し、千秋楽の土俵を踏むことはなかった。
カド番の貴景勝は全休。これで通算3場所目の休場となった。夏場所の休場理由は右膝内側側副靭帯損傷。これは5月場所で痛めた箇所だ。カド番での全休のため、大関陥落が濃厚だが、まだ22歳と若く、無理をして力士生命を短くするよりはじっくり治療すべきだろう。5月場所に再出場して失敗したため、焦って出場しても良いことはないとわかっているはずだ。
栃ノ心は6連敗後の7日目から途中休場。古傷の左肩と右膝の負傷が原因とされる。栃ノ心は春場所以来通算9度目の休場。2013年夏場所に右膝に大怪我を負って途中休場して以降、3場所連続で全休し幕下まで転落。その後見事に幕内に返り咲いたが、この時の右膝の怪我はその後もたびたび栃ノ心を苦しめており、今回も再発してしまったようだ。
豪栄道も3勝5敗と負けが込んだ9日目に休場。右肩に全治1ヵ月の怪我を負い、栃ノ心とともに夏巡業参加も危ぶまれる。豪栄道は昨年11月場所以来となる8度目の休場となった。
高安は11日まで土俵に上がり、8勝3敗と勝ち越しを決めていたが、こちらは左ひじを負傷し12日目から休場となった。昨年夏場所以来となる通算5度目の休場。こちらも夏巡業は見送り、途中参加を模索することとなった。