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大相撲「荒れない春場所」で貴景勝と玉鷲の大関獲りなるか

2019 3/10 07:00SPAIA編集部
大相撲春場所,Shutterstock.com
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直近3場所計33勝が大関昇進の目安

大相撲春場所(エディオンアリーナ大阪)が10日に初日を迎える。注目は昨年九州場所で優勝した貴景勝と先場所で優勝した玉鷲の大関獲りだ。

大関昇進は明文化された基準はないものの、一般的に直前3場所で計33勝が目安とされている。貴景勝は昨年九州場所、13勝2敗で初優勝を飾り、一躍大関候補に躍り出た。初場所で11勝を挙げ計33勝としたが、千秋楽で豪栄道に完敗した内容などから昇進は見送られた。

これまで千代大海や稀勢の里、豪栄道のように32勝で昇進した例もあるが、逆に若ノ花34勝、琴欧州35勝、把瑠都33勝、栃ノ心33勝で見送られたこともある。貴景勝は春場所で9勝すれば33勝に届くが、先場所で見送られた経緯を考えると二桁は欲しい。11勝して計35勝とすれば胸を張って昇進できると見られる。

玉鷲も11勝すれば33勝となるが、貴景勝が見送られたことからスンナリ昇進といくかは不透明だ。いずれにせよ、内容の伴った白星を積み上げることが重要になる。

直前3場所表,ⒸSPAIA

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平成以降の新大関初場所は8.72勝

では、大関昇進直前3場所の成績はその後の成績とどう関係しているのだろうか。平成以降に大関に昇進し、その後、横綱まで昇りつめた9人が大関昇進直前3場所で挙げた白星の平均は34.22勝。一方、大関どまりか、大関から陥落した16人の平均は34.06勝となっている。

より地力をつけ、誰もが認める成績を収めてから大関になった方がいいという見方もあるが、後に横綱になった力士とならなかった力士の平均白星が0.16勝しか変わらないことを考えると、昇進に慎重になってもその後の出世につながっているとは言えない。32勝で昇進した稀勢の里は横綱に昇進したし、千代大海は史上1位タイの大関在位65場所を記録する名大関となった例もある。

とはいえ、横綱、大関陣の頑張りは場所の盛り上がりを左右するだけに、日本相撲協会が大関昇進に対して慎重になることは理解できる。平成以降の新大関25人の最初の場所の白星を平均すると8.72勝。休場も含めた数字とはいえ、それまでの成績に比べると意外なほど苦しんでいる。新大関としていきなり優勝したのは栃東と白鵬の2人しかおらず、3場所合計37勝を挙げた栃ノ心は大関昇進後、ケガもあって4場所で計22勝と調子を落としている。そういった状況も大関昇進を慎重にさせる一因かも知れない。

21世紀の春場所優勝は横綱、大関のみ

春場所が開催される大阪は相撲ファンの多い土地柄。タニマチの語源は、明治時代に大阪・谷町の相撲好きの医師が力士の面倒を見たことと言われ、かつては「大阪相撲」として東京とは別に独自の興行をしていた時期もあった。

1953年の春場所では、羽黒山、鏡里、千代の山、東富士の4横綱のうち、羽黒山が休場し、2日目に他の3横綱に土がついたことなどから「荒れる春場所」と呼ばれるようになったと言われる。実際、1993年に小結・若花田が初優勝したり、2000年には前頭14枚目の貴闘力が13勝2敗で史上初の幕尻優勝を果たすなど、荒れた場所となった。

しかし、21世紀に入ってからは上位陣が盤石の相撲を見せており、優勝は全て横綱、大関が占めている。

春場所優勝力士,ⒸSPAIA

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地元で燃える貴景勝

貴景勝は兵庫県芦屋市出身だけに地元・関西で行われる春場所での大関獲りへ、意気込みは相当なものだろう。貴乃花部屋の消滅に伴って千賀ノ浦部屋に移籍したという経緯からファンの後押しもある。

モンゴル出身の玉鷲も先場所、史上4位のスロー記録となる初土俵から所要90場所での初優勝を果たし、俄然注目度が高まった。34歳と若くないだけにこのチャンスを活かしたいところだ。

両関脇が横綱、大関陣の牙城を崩して久々に「荒れる春場所」を演出し、大関昇進を果たすか、注目が集まる。

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