関脇昇進後3場所で9勝、11勝、13勝
大相撲初場所で東関脇として13勝2敗の好成績を挙げた琴ノ若の大関昇進が決まった。1月31日に日本相撲協会の使者が佐渡ヶ嶽部屋を訪れ、伝達式で昇進を伝えると「大関の名に恥じぬよう、感謝の気持ちを持って相撲道に精進してまいります」と決意を述べた。
琴ノ若は1997年、元関脇・初代琴ノ若(13代佐渡ヶ嶽親方)の長男として生まれ、幼少期から祖父の元横綱・琴櫻に英才教育を受けたという。埼玉栄高在学中に父親が師匠を務める佐渡ヶ嶽部屋に入門。2015年11月場所で初土俵を踏んだ。
翌2016年初場所でいきなり序ノ口優勝し、同年9月場所で幕下に昇進してからも少しずつ番付を上げた。2019年7月場所で十両昇進すると4場所連続で勝ち越して新入幕。一度は十両に陥落したが再入幕すると、2021年7月場所で12勝を挙げて初の三賞となる敢闘賞を受賞した。
2023年初場所では新小結で勝ち越し。同年9月場所で関脇に昇進してから9勝、11勝、13勝と星を伸ばして大関昇進を決めた。5月場所以降に祖父の「琴櫻」を継ぐ可能性にも言及している。平成以降の大関昇進力士の直前4場所の成績は下の通り。
照ノ富士には優勝決定戦も含めて7戦全敗
琴ノ若は東前頭2枚目だった2022年7月場所で7勝4敗4休と負け越して以来、幕内上位で9場所連続勝ち越し。身長189センチ、体重177キロの堂々たる体格と安定した取り口で、26歳という年齢からも横綱さえ期待させる器だ。横綱、大関にモンゴル勢が多い中で、久々に出現した日本人の大物と言っていいだろう。
初場所の優勝決定戦では横綱・照ノ富士と熱い相撲を繰り広げながら敗れてV逸。これまで本割では6戦全敗、優勝決定戦も含めると7戦全敗となった。気の早い話ではあるが、横綱昇進には照ノ富士という“ラスボス”を避けては通れない。
横綱昇進の条件は「大関の地位で2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績」と定められている。「準ずる成績」が時として議論を呼ぶが、いずれにしてもハイレベルな成績が求められる。最近の横綱昇進力士の直前3場所成績は下の通りとなっている。
日本人横綱は2019年初場所に引退した稀勢の里(現二所ノ関親方)以来、誕生していない。それ以前となると若乃花までさかのぼる。
琴ノ若の昇進によって、先輩大関の貴景勝もウカウカしていられないだろう。霧島や豊昇龍のモンゴル勢も含め、激しい優勝争いで大相撲が盛り上がることに期待したい。
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