岩淵専務理事が経緯を説明
ラグビーの国際統括団体、ワールドラグビーの理事会が日本時間11日の深夜に開かれ、日本が世界最上位の新たなカテゴリー「ハイパフォーマンスユニオン」として認められた。これを受けて、日本協会の岩淵健輔専務理事が12日、オンラインの取材に応じた。
岩淵専務理事は今回の決定に至るまでに、日本協会として2019年W杯の前から様々なアプローチを行ってきたことを明かした。
「当時の『ティア1』に入れてくれというだけで動く話ではなく、国際的な動きも含めて様々な働きかけをしてきた。具体的に、『ティア1』に入るということについては4年間かけて進めてきた。それだけでなく『ティア』などの伝統的な考え方を今後どうしていくか、ワールドラグビーの中だけでなく、他のユニオンも含めて働きかけ、最終的に今の位置になった」
これまでは、ヨーロッパの6カ国対抗戦に出場するイングランド、スコットランド、アイルランド、ウェールズ、フランス、イタリアと、南半球の4カ国対抗戦に出場するニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンの合わせて10カ国が最上位の「ティア1」と位置付けられてきた。そこに新たに日本を加える形で、「ハイパフォーマンスユニオン」は構成されることになる。
日本にとっては、理事会での投票権が2票から3票に増えて発言力が増すのに加え、「ユニオンの話し合いにしっかり入れることは大きなこと」となる。その一方で、「6カ国対抗戦や南半球4カ国対抗戦などの権利が絡む大会や話し合いについては、この枠組みでは入っていけない。そういうところにも働きかけられるようにしていかなければならない」と現状について説明した。
それでも日本としては大きな一歩を踏み出したことは間違いない。代表チームの強化やラグビーの普及活動、W杯の再招致などには追い風となるだろう。一方で、これまで以上にラグビー界の発展へ尽力する必要も出てくる。
岩淵専務理事も「ここから先は日本ということだけではなく、主語がアジア、世界となる。1つ大きな責任を担わなければいけないと感じています」と気を引き締めていた。
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