10週間続いた春の東京開催が終了
4月下旬から10週間続いた春の東京開催が終了した。毎週取材に通ってきたが、長いようであっという間だったと感じる。
開幕週のフローラSに始まり、先週のユニコーンSまで平地の重賞では接戦が多く、カメラマン泣かせのレースが多かったが、どのレースも良いレースだった。そこで今回のコラムでは、東京競馬場で行われた重賞レースを中心に、写真とともに振り返ってみたい。
4月下旬から10週間続いた春の東京開催が終了した。毎週取材に通ってきたが、長いようであっという間だったと感じる。
開幕週のフローラSに始まり、先週のユニコーンSまで平地の重賞では接戦が多く、カメラマン泣かせのレースが多かったが、どのレースも良いレースだった。そこで今回のコラムでは、東京競馬場で行われた重賞レースを中心に、写真とともに振り返ってみたい。
5月4日はそれまでの晴天が嘘のように突然天候が悪化。大粒の雹が降り、10レース以降のレースが取りやめになるという出来事は、今後も競馬ファンの間では語り継がれていくことだろう。
当日、幸いと言っていいのか筆者は競馬場には行っていなかったが、現地で撮影していた多くのカメラマンから「あれは怖かった」という声が聞かれた。
【NHKマイル】
時代が令和に変わり、最初のGⅠとなったNHKマイルCはミルコ・デムーロ騎手騎乗のアドマイヤマーズが勝利。今年に入り思ったほどの成績を挙げられていなかったこともあってか、レース後のとてもうれしそうな表情が印象に残った。
Ⓒ三木俊幸
【ヴィクトリアマイル】
ヴィクトリアマイルは、ノームコアに騎乗したダミアン・レーン騎手が見事にGⅠ初制覇を飾った。勝ちタイムは1:30.5という驚きの日本レコード更新となった。
Ⓒ三木俊幸
【オークス】
オークスは1番人気のラヴズオンリーユーが差し切り勝ちで無敗の樫の女王に輝いた。
Ⓒ三木俊幸
この勝利でデムーロ騎手はクラシックレース完全制覇という偉業を達成した。このレースでも2:22.8とレースレコードがマークされ、今年の春の東京開催は例年以上に高速馬場でのレースが続く結果となった。
【日本ダービー】
日本ダービーは、1番人気に推された皐月賞馬サートゥルナーリアがスタート直前に激しくイレ込み、まさかの出遅れ。最後は追い上げたものの、4着止まりで波乱の決着となった。
Ⓒ三木俊幸
勝利したのは内ラチ沿いをロスなく立ち回り、完璧な騎乗をした12番人気のロジャーバローズ。浜中俊騎手はデビュー13年目にして、念願のダービージョッキーとなった。
【安田記念】
ダービーが終わり、2歳戦が始まるとシルクレーシングの勝負服が大活躍。新馬戦ではサリオス、モーベットが大物感漂う勝ち方を見せてくれた。
Ⓒ三木俊幸
その一方で一番の注目を浴びたのは安田記念に出走したアーモンドアイ。ドバイからの帰国緒戦でどのようなレースを見せてくれるか注目されたが、3着まで。同じ勝負服のインディチャンプがマイル王の座に輝いた。
【多摩川ステークス】
5週連続のGⅠ開催が終わり、重賞レースも無かった6月8日の東京競馬場は穏やかな雰囲気に包まれた。メインレースの多摩川ステークスでは16番人気のファストアプローチが勝利し、木幡育也騎手はメインレース初勝利を果たした。
Ⓒ三木俊幸
表彰式後は一人一人に丁寧にサインに応じていたため、ほとんどのカメラマンはすぐにその場を後にしたが、残っていたカメラマンからの「おめでとう」の一言にはにかんだ笑顔を見せてくれた。
【エプソムC】
翌日の6月9日に行われたエプソムCは、雨の中のレースとなった。
Ⓒ三木俊幸
稍重馬場の中、レイエンダが上がり32.7の末脚を見せて重賞初制覇。ルメール騎手は春の開催での騎乗停止など色々とあった中での勝利に、会心のガッツポーズを見せたのが印象的だった。
Ⓒ三木俊幸
【ユニコーンS】
ダート重賞のユニコーンSは、普段は許されないが、ダートコースの近くまで入ることができた。コース上は乾いてきていたが、撮影場所の外ラチ沿いの窪んだところはまだ水分が残っている箇所もあり、足下を気にしながらの撮影となった。
レースはワイドファラオが接戦を制して、芝とダート両方で重賞制覇を果たした。
Ⓒ三木俊幸
そんな中で、1日5勝を挙げる大活躍を見せたレーン騎手。今回の短期免許では最後となった東京競馬場でもレーン旋風を巻き起こした。最終レースの口取りには、父マイケル氏も参加し、うれしそうな表情を見せていた。
その後、身元引受調教師だった堀宣行調教師にも、丁寧にこれまでのサポートに対する感謝の言葉を伝えていたのが印象的だった。
次回の東京開催は10月。また素晴らしい競馬場で、素晴らしいレースが見られることを期待したい。