ドバイシーマクラシック ダービー馬が鮮やかに快勝
レース当日の最高気温が40℃に迫ろうかというドバイ・メイダン競馬場を舞台に行われた2025ドバイワールドカップデーは、ドバイシーマクラシックをダノンデサイル、ドバイターフをソウルラッシュ、UAEダービーをアドマイヤデイトナが勝利し、日本調教馬が3勝を挙げた。
8Rに組まれたドバイシーマクラシックには4頭の日本調教馬が出走。JRAでの馬券発売では前年の覇者レベルスロマンスが1番人気の支持を集めた。
レースはシンエンペラーがハナを奪い、2 番手にドゥレッツァという展開。しかし向正面に入ったところで3番手にいたレベルスロマンスがポジションを押し上げて先頭へ。
同馬は得意の先行策から押し切りを狙ったが、5番手のイン追走から残り200mを切ったところでダノンデサイルが楽に交わしさり、差し切り勝ちを決めた。勝ちタイムは2:27.05だった。
外から追い込んできたフランス調教馬カランダガンの追い上げを封じるという、日本ダービー馬の底知れぬポテンシャルを感じさせる勝ち方だった。
2番手から運んだドゥレッツァはしぶとさを生かし、ゴール前でレベルスロマンスを捉えて3着。そのほかはチェルヴィニアが6着、ネオムターフクラシック1着から転戦したシンエンペラーは7着という結果だった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
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ドバイターフ ソウルラッシュがロマンチックウォリアーを撃破
その一つ前の7Rに行われたドバイターフはゴール前、馬体を併せての大接戦となった。断然の人気を集めていたのは現役の世界最強馬と言っても過言ではない香港のロマンチックウォリアー。
同馬は好スタートから3番手を追走して直線早め先頭に立ったが、外からジリジリと差を詰めたソウルラッシュが最後に捉えるという大仕事をやってのけた。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
騎乗したC.デムーロ騎手も駆け寄った厩舎スタッフに勝利を告げられた際に「勝った?」と聞き返すほど際どく、発表された着差は0.01馬身だった。
ロマンチックウォリアーが最も得意とする芝中距離の舞台で差し切ったことは世界中に大きなインパクトを与えたと言ってもいいだろう。
その一方、ロマンチックウォリアーは前走サウジカップでの激闘のダメージが取りきれていなかったとも推測できる。2戦連続2着という結果だが、遠征での疲労をしっかり取ってまた次のレースに挑んでほしい。
他の日本馬は淀みないペースで逃げたメイショウタバルが5着、ブレイディヴェーグは7着、リバティアイランドは8着という結果だった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
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ドバイワールドカップ アメリカ調教馬ヒットショーが差し切り勝ち
ドバイワールドカップには、今年の出走馬のなかで世界中から最も注目を集めていたフォーエバーヤングなど、4頭の日本馬が出走した。
レースは地元UAEのウォークオブスターズが逃げるなか、5番手から運んだフォーエバーヤングはゴール前でジリジリといい脚を使って伸びたが3着まで。こちらもロマンチックウォリアー同様に激闘のサウジカップを戦った見えない疲れがあったのかもしれない。
最後の直線はウォークオブスターズとミクストの追い比べが続いていたが、後方3番手から馬群を縫ったアメリカ調教馬ヒットショーが差し切り勝ち。勝ちタイムは2:03.50だった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
その他の日本勢ではウシュバテソーロが最後方から伸びるも6着。同じ厩舎で中団からロスなく立ち回ったウィルソンテソーロは7着、後方2番手を追走していたラムジェットは9着と伸びを欠いた。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
UAEダービー アドマイヤデイトナが接戦を制する
9頭立てで日本馬4頭が出走したUAEダービーは、アドマイヤデイトナとラフィドが並走してレースを引っ張る形となった。
残り800mを切ったところでドンインザムードが前に迫って3頭の追い比べが続いた。残り100mで完全に抜けたかに思われたアドマイヤデイトナに再びハートオブオナーが迫ったが、0.04馬身差という接戦をモノにした。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
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ドンインザムードは自ら動いた分、最後止まってしまったが見せ場を作っての3着。中団よりやや後ろから運んだシンフォーエバーは4着、最後方からレースを進めたドラゴンは6着だった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ドバイゴールデンシャヒーン 3歳馬ダークサフロンが逃げ切り
ダート1200mで争われたドバイゴールデンシャヒーンは、地元UAE所属の3歳馬ダークサフロンがハナを奪う。ゴール前は5番手を追走していたナカトミが外から伸びるも、ダークサフロンが勝ちタイム1:11.40でそのまま逃げ切った。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
後方2番手を追走し、直線で進路を外に求めたクロジシジョーは最後まで伸びるも4着まで。2番手追走から粘ったアメリカンステージは見せ場を作ったが6着。リメイクは10着と末脚は不発に終わった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
アルクオーツスプリント ビリーヴィングが突き抜ける
直線芝1200mのアルクオーツスプリントは残り300mを切ったところでウインカーネリアンが抜け出して勝利なったかと思われたが、内からビリーヴィングが突き抜け勝ちタイム1:07.77で優勝。ウインカーネリアンは2着だった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
最内を突いたダノンマッキンリーは4着、外からピッチ走法で伸びるもピューロマジックは5着。出走した日本馬3頭は全て5着以内に好走した。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
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ゴドルフィンマイル レイジングトレントが圧勝
日本から2頭が参戦したゴドルフィンマイルは、スピードの違いを見せつけてハナを奪ったアメリカ所属でL.デットーリ騎手騎乗のレイジングトレントが後続を寄せ付けることなく1:36:69で逃げ切った。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
中団からレースを進めたカズペトシーンは直線で大外から追い込んで3着、3番手の外を追走していたペプチドナイルは直線で脚がなくなり11着に終わった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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