参考レース振り返り
9日に東京競馬場で行われる東京新聞杯(GⅢ・芝1600m)。優勝馬のリスグラシュー、インディチャンプ、2着に敗れたがナミュールなどものちにGⅠ勝利を果たしており、ハイレベルのメンバーがそろうことも多い。
今年は17頭が登録、過去10年のデータとともに主な参考レースを振り返る。
9日に東京競馬場で行われる東京新聞杯(GⅢ・芝1600m)。優勝馬のリスグラシュー、インディチャンプ、2着に敗れたがナミュールなどものちにGⅠ勝利を果たしており、ハイレベルのメンバーがそろうことも多い。
今年は17頭が登録、過去10年のデータとともに主な参考レースを振り返る。
過去10年の成績【2-0-1-11】勝率14.3%、連対率14.3%、複勝率21.4%
2020年プリモシーン、2023年ウインカーネリアンが前走マイルCSから挑んで勝利。最多タイの2勝と好成績で、単回収率は123%となっている。
レースはバルサムノートが後続を4馬身ほど引き離しての単騎逃げ。前半800mの通過は45.7と淀みなく流れた。勝ち馬のソウルラッシュは中団馬群で脚を溜め、直線に向く。横に広がっての攻防となった直線では、真ん中から伸びて残り150mで先頭に立つと、そのまま突き抜けて勝ちタイム1:32.0でGⅠ初制覇を飾った。
ブレイディヴェーグは約1年ぶりの出走となった府中牝馬Sを快勝したのち、マイルCSに矛先を向けた。道中は勝ち馬とほぼ同じポジションのインを追走し、直線に向いたところでは一瞬だけ進路を探す場面もあったが、馬群を割って伸びると2着エルトンバローズとはタイム差なしの4着だった。持久力が求められるペースに加えて、初のマイル戦出走だったが全く問題なし。今回東京コースに戻ることも歓迎材料と言える。
10着ジュンブロッサムはスタートで出遅れて後方からのレースとなった。直線は馬場状態が悪い内を突いて伸びたが、勝ち馬からは0.7秒離されてゴール。これまで瞬発力勝負の展開で結果を残してきており、持久力が必要とされるタフな馬場と展開は向かなかった。
14着マテンロウスカイも道中は中団より後ろから運び、直線は外へと持ち出された。しかし伸びを欠き、鞍上も最後は無理をさせず流しながらゴールした。
過去10年の成績【0-1-0-1】勝率0.0%、連対率50.0%、複勝率50.0%
前走秋華賞からの参戦は2頭と少ないが、いずれも1番人気の支持を集めた。勝利はないが、2022年にファインルージュが2着と好走している。
レースはセキトバイーストが後続を引き離し、1000m通過が57.1のハイペース。2番手にはポツンとクリスマスパレードが追走し、その後ろは集団となっていた。集団の3列目で脚を溜めていた1番人気のチェルヴィニアは、直線に向いて外から内へと切り替えながら馬群を割って突き抜けると後続に1.3/4馬身差をつけて快勝。1:57.1というタイムで牝馬二冠を達成した。
ボンドガールは道中後方3番手を追走。4角では大外を回す形となり、まだ前とはかなりの差があったが、上がり最速の末脚で伸びて2着まで追い上げた。当日はインコースが伸びる馬場状態、かつ折り合いの難しさを抱えながらの結果ということを考慮するとやはり能力は高い。マイル戦への距離短縮は歓迎、今回どのようなレースを見せてくれるか楽しみだ。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
過去10年の成績【1-1-3-33】勝率2.6%、連対率5.3%、複勝率13.2%
京都金杯から参戦して勝利したのは2017年のブラックスピネルのみ。直近では2023年に6番人気のプレサージュリフトが3着に好走しているが、過去10年の好走率は低調。今年は4着同着のアスクコンナモンダを除く、京都金杯1〜4着の上位馬が参戦を予定しており、データを覆すことができるのか注目が集まる。
スタートしてセオが逃げるかと思われたが、それを交わしてセルバーグが主導権を握った。800m通過は46.2、前2頭が並んで直線へと向いたが、中団のインを追走していたサクラトゥジュールが馬群を縫って突き抜けた。勝ちタイムは1:33.5で決着。8歳を迎えても衰えはなく、手が合うR.キング騎手とのコンビで連覇を狙う。
2着のウォーターリヒトは大外枠からスタートするも、道中は後方3、4番手まで下げてインコースを追走し、直線だけ外に持ち出されて追い込む形。結果、クビ差で届かなかったが、勢いよく伸びた末脚は目立った。2走前のキャピタルSも、ある程度ペースが流れる展開をゴール前で差し切っており、着実に地力をつけている。重賞初制覇のチャンスは十分ある。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
3着ロジリオンは道中3番手から、4着セオは2番手からロスなく立ち回り、インコースが伸びる馬場も味方につけた。ロジリオンは除外対象だが、すでに東京コースで堅実な結果を残している点は魅力。セオは京都金杯からさらに相手強化となる一戦でどこまでやれるか試金石となるだろう。
その他、10着メイショウチタンも登録があるが、後方4番手追走から直線では伸びきれず。近走の内容からも力不足なのは否めない。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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