冬のダート王決定戦
今週日曜日、中京競馬場でGⅠ・チャンピオンズCが行われる。みやこSを3馬身差で快勝した新勢力筆頭セラフィックコール、マイルCS南部杯で驚異の2秒差勝ちしたレモンポップ、JBCレディスクラシックを圧勝してJpnⅠ初制覇を果たしたアイコンテーラー、シリウスSを勝ったハギノアレグリアス、JBCクラシック3着のテーオーケインズ、帝王賞連覇のメイショウハリオなどがエントリーしてきた。
BCクラシックに挑んだウシュバテソーロこそ不在だが、日本のダートGⅠ、JpnⅠ戦線をリードする一流馬たちが顔をそろえた。中京に舞台が移った14年以降のデータから、馬券戦略を検討する。
前走地方組に注目
<チャンピオンズC・前走場所別成績>
盛岡【3-3-1-14】勝率14.3%/連対率28.6%/複勝率33.3%
大井【2-0-2-11】勝率13.3%/連対率13.3%/複勝率26.7%
その他地方【3-2-0-12】勝率17.6%/連対率29.4%/複勝率29.4%
JRA【1-4-6-73】勝率1.2%/連対率6.0%/複勝率13.1%
※海外【0-0-0-4】
チャンピオンズCは前走コースとの連関がはっきりしているレース。目立つのは前走地方組8勝で、特に前走盛岡組は【3-3-1-14】複勝率33.3%と安定感がある。マイルCS南部杯組が【2-2-1-6】複勝率45.5%と好成績だ。ハイレベルになる年が多い同レースを経て出走してきた馬は、ここでも上位候補と言える。
前走大井組も内訳はすべてJBC3競走を使われていた馬。やはりハイレベルなJpnⅠを経験した馬が強い。ただ着順別に見ると1着【0-0-0-4】、2着【1-0-2-1】、3着【1-0-0-2】、4着以下【0-0-0-4】。惜敗組が馬券圏内に入ってくるケースが多い。
これらに対して前走中央組は、昨年ジュンライトボルトが中京開催のシリウスSから優勝してはいるが、複勝率13.1%と凡走が多い。一線級の馬たちはこぞって南部杯やJBCに出走することから、どうしても中央のレースは一枚落ちてしまうのだろう。そこで勝った馬でも【1-2-1-18】複勝率18.2%、複勝回収率43%と低調であり、押さえに留めたい。
巻き返しのチャンス到来
◎テーオーケインズ
前走のJBCクラシックは勝ち馬キングズソードと0秒9差の3着に完敗したが、2着ノットゥルノとはアタマ差。前走は最速の上がり3F37秒9を3番手追走から繰り出した勝ち馬が強すぎただけだろう。本馬は新砂に入れ替わった大井のタフな馬場がこたえたという談話もあり、JRAの軽いダートに替わるのは好材料。枠も3枠4番と悪くなく、巻き返しのチャンスが到来した。今年限りでの引退、種牡馬入りが決まっているだけに、もう一花咲かして欲しい。
◯レモンポップ
前走のマイルCS南部杯は衝撃の2秒差で逃げ切り勝ち。この後にJBCスプリントを制するイグナイターらを置き去りにし、フェブラリーSに続くGⅠ・2勝目をあげた。能力の高さは疑いようがなく、上位候補筆頭なのは間違いない。ただ1800m、コーナー4つのレースを経験していないことはやはり気になる。また過去9年のこのレースで【0-0-0-17】と鬼門の8枠を引いてしまったことも不安で、妙味も考えて一枚割引いた。厳しい条件にどのように立ち向かうか注目したい。
▲ハギノアレグリアス
チャンピオンズCと同舞台の東海Sでは、上がり3F36秒2の末脚を使うも、空馬に絡まれる不利があって2着に敗れた。前走シリウスSでは斤量58.5kgをものともせず、JBCレディスクラシックを制するアイコンテーラーを退けて勝利した。今回は相手が一気に強化され、1着は難しいかもしれないが、舞台適性を生かしての好走はある。相手として押さえたい。
以下セラフィックコール、メイショウハリオ、アイコンテーラーまで印を回す。馬券は◎-◯▲△の馬連とする。
▽チャンピオンズC予想▽
◎テーオーケインズ
◯レモンポップ
▲ハギノアレグリアス
△セラフィックコール
×メイショウハリオ
×アイコンテーラー
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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