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【シルクロードS】癖馬勢揃いで混沌の一戦 京大競馬研はナランフレグの末脚一閃に期待

シルクロードSインフォグラフィック,ⒸSPAIA
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上級戦ほど末脚重視。逃げ切りは厳しい

1月30日(日)に中京競馬場でシルクロードS(GⅢ)が行われる。オーナーの社名からついた「名古屋走り」の異名をとるメイケイエールが復帰戦に臨むほか、昨年6歳にしてゲート難が発現したジャンダルム、2年連続GⅠのゲートで暴れたビアンフェなど実績以上に個性に注目が行く馬たちが揃った。3頭とも過去にその気性難で実力を発揮出来ないケースが見られ、予想が非常に面白い一戦となった。

高松宮記念に向けて大事な一戦、荒ぶる気性に負けず実力を発揮するのか、あるいは穴馬の台頭あるのか。上位人気馬の診断という形で予想を組み立てた。


過去10年中京芝1200m脚質別成績,ⒸSPAIA


過去10年中京芝1200m・OPクラス以上・脚質別成績,ⒸSPAIA


参考データとして過去10年の中京芝1200mにおける脚質別成績を調べた。逃げ馬の成績が【43-17-22-134】で勝率19.9%、複勝率38.0%。先行が【71-70-69-590】の複勝率26.3%、中団が【79-101-88-1192】で複勝率18.4%と、前有利の傾向が現れるありきたりなデータになっている。

ところが、重賞含むOPクラスのレースに絞ると傾向が変わる。逃げは【2-1-5-21】で勝率がわずか6.9%。出走馬のレベルが上がり、前半からハイペースで走る展開が増えると、序盤の下り坂から直線で急坂を登る厳しいコース形態もあって一気に逃げ馬の成績が落ちる点は見逃せない。

重賞での逃げ切りは2020年高松宮記念モズスーパーフレアの2着入線繰り上げが1回あるのみで、ハイレベル戦になるほど粘りだけでは好走しづらくなっている。但し実力馬の横綱相撲が安定していることは変わらず、先行勢の成績は【13-8-9-76】で複勝率は28.3%と先程と大きな差はない。しっかり前を捉えきれる切れ味を持つ馬をより重視したい。


癖馬3頭の診断

まずは展開のカギを握りそうなビアンフェから。函館SSを1分7秒6で逃げ切るなど持ち時計は上位。馬場の荒れが進んでおり、今回7秒台で走りきるのは難しそうでタイムを気にする必要はないが、当馬を差せないと上位進出はないため、ついて行けない馬はバシバシ切ってしまおう。他に逃げ馬もおらず、後述のメイケイエール次第になるが展開は向きそうだ。

しかし、これまでの勝ち鞍は全て右回り平坦コース。スローだと切れ負けするため前半から飛ばしたいのだが、実績の無い左回り急坂コースでは最後止まってしまう可能性が高い。また前半飛ばすことで後方勢にもチャンスが生まれそう。先述のデータからも紐までとする。

次にジャンダルム。今回も出遅れ想定だが末脚は強烈。春雷Sの勝ち時計が優秀で、同コースのセントウルSでも上がり32.6を使うなど持ち時計、コース適性は十分。しかし追っても届かずの競馬を繰り返しており、展開が向くかどうかはゲートの出とメイケイエールの動向にかかっている。軸にはしづらいが、相手筆頭にするには足る馬。

最後にメイケイエール。この馬の最大の問題は気性難そのものより、その暴走で自ら展開的に不利な位置取りをしてしまう点だと考える。キーンランドCでは直線で目標にされ、スプリンターズSでは他馬にぶつかり外を回す大ロスがあった。速い時計に対応し能力の片鱗は見せているが、これまで休み明けのレースは太め残しで特に暴走が激しかった前科があるため、別馬になる位の成長がないとここでは厳しそう。こちらもジャンダルム同様馬券妙味は皆無。左回りの出走歴がないため、中京巧者である可能性にかけてみるのはアリかもしれない。

逃げ切りが厳しいデータにより先行勢を調べたものの、対ビアンフェという観点ではどの馬も心許ない。今回は強烈な差し脚を持つ馬から印を打っていく。メイケイエールがビアンフェに突っかかっていくようなら更に差し有利な展開になりそうで、先行総崩れの可能性も考えたい。


末脚だけならGⅠ級、待ちに待った得意コースでの重賞

◎ナランフレグ
前走は前有利のスローな流れを差しきって勝利。脚質が追込み一辺倒なため脚を余す競馬を繰り返して出世が遅れたが、2019年の浜松Sでは上がり勝負からただ1頭突き抜けるなど、末脚自体は展開が向かずとも強引に上位に食い込むだけのものを持っている。

直線が長ければ長い方が良いタイプで中京>阪神内回り>中山の順で成績が良く、得意とする中京芝1200mは【1-2-0-1】。開幕週だったセントウルS以外では常に連対。馬場も荒れた今なら勝ち負け出来る。セントウルSの予想をした時からずっとこの時を待っていた。前走の勝利によって除外を免れ出走が叶った事に感謝してこの馬から入りたい。

◯シャインガーネット
前走オーロカップは痛恨の出遅れ、最後は軽ハンデ馬にやられてしまったものの直線の伸びは鮮やかだった。左回りを狙った出走で、3歳時にビアンフェを差しきってファルコンSを勝つなど中京実績持ち。カレンモエより1kg軽い54kgで出られるのもプラス。

▲ジャンダルム
2走前は開幕週の馬場という不利を受けながらも豪快に追込み4着まで来るなど脚力は上位。ただし今回はハンデ戦で、後ろで構えすぎるとハンデ差が堪えて負けた北九州記念のようになりかねない。致命的な出遅れだけは避けたい。

△ビアンフェ
前走はまたゲートで暴れてレース前に終戦。2番手から運ぶも最後は切れ負けして7着。しかし最後に逃げ馬との差は詰めており、力負けと言えるだけの差があったとは思わない。GⅢであれば地力上位で、仮にまた暴れてしまっても前走程度であれば許容範囲。前半から飛ばせばついてこられる馬は先行馬の中にはいない。しかし上級戦での逃げ切りが厳しいことから評価を下げた。

×カレンモエ
セントウルSはいつも通りの先行抜け出しを図るも捉えきれず、後ろからも差されて5着。一度ビアンフェに勝っているが、当時はビアンフェが去勢明けで不調だった。競り合いに弱く地力勝負では少し劣る。

×エーポス
前走は初の1200m、休養明け太め残りでもいきなり好走で適性高め。

消メイケイエール
スプリンターズSは何とか4着も、スタート後に他馬にぶつかるなど危険性は残る。休養効果がカギになるが、先述のようにこれまで休み明けは特に気性が悪かった。課題が多い割にオッズは低く、リスクに見合わない。

買い目はナランフレグの単勝と馬連5点で勝負。メイケイエールが折り合って伸びてきた時はごめんなさい。(文:福山)

シルクロードS 予想印
◎ナランフレグ
◯シャインガーネット
▲ジャンダルム
△ビアンフェ
×カレンモエ
×エーポス

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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