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【アーリントンC】「キャリア4、5戦」「前走重賞組」「前走マイル戦出走」 覚えておきたいデータ

2021 4/11 17:05勝木淳
アーリントンCインフォグラフィック1ⒸSPAIA
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1番人気【5-0-0-5】と極端

阪神競馬場とアーリントンパーク競馬場が提携したことを機に名を改めたアーリントンCは、かつて春の阪神開幕週に組まれていた。2018年、3歳マイル路線を整備する意味で関西圏のNHKマイルCトライアルとして4月阪神最終週に移った。この移設効果はてき面で、3年連続で前走アーリントンC組がNHKマイルCで3着。それも9、7、6番人気の伏兵ばかり。本番に向けてぜひともチェックしておきたい。ここでは移設前も含めた過去10年と移設後の直近3年間のデータを見比べつつ傾向をつかむ。


過去10年アーリントンC人気別成績ⒸSPAIA


1番人気【5-0-0-5】。半数は勝利、もう半数は4着以下と極端な傾向。買うなら1着、買わないなら消し、過去のデータはそういった作戦を示唆する。こういった傾向は1番人気の数字としては珍しい。4番人気【2-1-2-5】勝率20%、複勝率50%など伏兵の数字もそこそこで、幅広く検討する必要がありそうだ。なお直近3年の1着馬は1、12、1番人気。大荒れだった19年は12番人気イベリス、7番人気カテドラル、11番人気トオヤリトセイトで決着。過去10年間のデータと同じく1番人気は1着か着外かという傾向にある。

過去10年アーリントンC所属別成績ⒸSPAIA


過去3年アーリントンC所属別成績ⒸSPAIA


4月阪神最終週に移設されたことで、関東のNHKマイルCトライアル・ニュージーランドTと連続で施行されるようになった。当然関東馬はニュージーランドTへ、関西馬はアーリントンCへ出走するようになり、住み分けは進む。過去10年で栗東【8-10-8-82】、直近3年は【2-3-3-27】。やはり関西馬が優勢。

しかし開幕週施行時代よりさらに減少傾向だが、あえて西下する関東馬は注意したい。直近3年【1-0-0-6】、3回中1回は関東馬が勝利。もっとも勝ったのは18年タワーオブロンドン。京王杯2歳S1着、朝日杯FS3着の実績があった。今年はそこまで強力な関東馬の参戦は見当たらない。


ポイントは前走クラスと前走距離

ではキャリアや前走レース別成績など、ここからはさらに過去の戦歴から好走パターンを探っていくことにする。

過去10年アーリントンCキャリア別成績ⒸSPAIA


開幕週時代を含む過去10年でみると、キャリア1戦【0-0-1-5】、2戦【1-0-1-9】、3戦【1-1-2-17】など少ないキャリアの馬も活躍する傾向がみられるが、4月に移った3年間では、

過去3年アーリントンCキャリア別成績ⒸSPAIA


キャリア3戦以下は【0-0-1-10】と厳しくなった。トライアルレースに位置づけられたことで出走馬のレベルは上昇、キャリアが浅い格下馬は通用しにくくなった。ピクシーナイト、グレイイングリーン、ショウリュウレーヴら3戦2勝馬は浅いキャリアとはいえ、実績はそれなりにある。4戦【1-2-0-3】、5戦【2-1-1-7】あたりが好走ゾーン。4戦にはアドマイヤザーゲら伏兵がそろい、5戦はホウオウアマゾンがいる。


過去10年アーリントンC前走クラス成績ⒸSPAIA


前走クラスを比較すると、1勝クラス【2-4-3-43】勝率3.8%、複勝率17.3%は、出走数を考えれば物足りない。オープン【1-1-1-9】も複勝率25%は悪くないが、頼りなさも感じる。やはり前走重賞出走馬に注目すべきだろう。前走GⅢ【4-3-4-15】はピクシーナイト。前走GⅡは該当なし。前走GⅠ【2-2-0-10】はホウオウアマゾンが当てはまる。この傾向は直近3年も変化はなく、それなりに絞れてきた。


過去10年アーリントンC前走距離別成績ⒸSPAIA


さらにクラスを問わず絞れるデータとして前走距離比較別成績をあげる。前走がマイル以外だと延長【2-3-3-32】、短縮【1-1-4-23】、いずれも複勝圏内までという数字。マイル戦線の重要トライアルらしく前走がマイルだった馬が【7-6-3-42】勝率12.1%、複勝率27.6%と好相性。このデータも直近3年で変わりはない。前走1勝クラスを勝利した馬のなかでは関東馬のジュリオが好走パターンに該当する。反対に2勝馬のグレイイングリーンら前走が1400mだった馬は連下候補に加えるかどうかといったところだろう。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。


アーリントンCインフォグラフィック2ⒸSPAIA


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