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巨人・石川達也がプロ初勝利を挙げた要因、同じ腕の振りで投げ込む26キロ差の直球とチェンジアップ

2025 4/1 06:30SPAIA編集部
巨人・石川達也,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

ヤクルト戦5回3安打無失点、プロ初タイムリーも

昨オフにDeNAを戦力外となり、巨人入りした石川達也が30日のヤクルト戦(東京ドーム)に先発して5回3安打4三振3四球無失点でプロ初勝利を挙げた。

2回まではパーフェクトに抑え、3回二死から赤羽由紘に初安打となる二塁打を打たれたが、続く西川遥輝を空振り三振。4回、5回にも1安打ずつを許したものの無失点で切り抜けた。

さらに2回の打席では自らプロ初安打を放って初打点を挙げるおまけつき。試合後のヒーローインタビューでは「初回から飛ばしていきました。最後は苦しい投球でしたが、バックを信じて投げました。戦力外になって拾っていただいたジャイアンツ関係者の皆さんに感謝しています」と笑顔を見せた。

横浜高時代は藤平尚真とともに甲子園出場

横浜高時代は同級生の藤平尚真(現楽天)とともに3年夏の甲子園に出場。寺島成輝(元ヤクルト)のいた2回戦の履正社戦に先発したが、1.2回5失点で降板し、チームも敗れた。

卒業後は法政大に進学して東京六大学リーグ通算3勝。2020年ドラフトでDeNAから育成1位指名を受けてプロ入りした。

2022年に支配下登録され、一軍初登板。2023年には28試合に登板して3ホールドを挙げたが、白星はつかめないまま2024年限りで戦力外となっていた。

チェンジアップは空振り率19.0%

左のオーバースローからキレのいいストレートとチェンジアップ、カットボール、シンカー、カーブなど変化球を投げ分ける。

SPAIAのデータでは、全体の35.2%を占めるストレートは平均142.6キロ、23.1%を占めるチェンジアップは平均116.4キロと約26キロのスピード差がある。全く同じ腕の振りでこれだけ緩急を使われると、打者は対応しにくい。さらに19.8%を占めるカットボールや18.7%のシンカーも駆使することで、相手打者は左右の変化への対応も必要になる。

ストレートの空振り率は3.1%にすぎないが、チェンジアップは19.0%をマーク。今後もチェンジアップは最大の武器になるだろう。

同日には母校・横浜がセンバツで優勝。2025年3月30日は生涯忘れない日となったに違いない。遠回りした苦労人左腕の野球人生はこれからが本番だ。

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