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ドジャースの優勝確率は99%?【ナ・リーグ西地区の順位予想】

2020 3/12 11:00棗和貴
ドジャースに移籍したムーキー・ベッツとアンソニー・ガルシア
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Ⓒゲッティイメージズ

ドジャースの優勝確率99%?

ドジャースがナ・リーグ西地区を制覇することは、もはや日常的な風景のようになっている。昨シーズン、106勝56敗、勝率.654、2位のダイヤモンドバックスとのゲーム差21.0という圧倒的な強さを誇ったドジャースは、これで7年連続の地区優勝となった。

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ドジャースが敗れる姿を想像することは今季も難しそうだ。アメリカのデータサイト、ベースボール・プロスペクタスによる順位予想でも、当然のようにドジャースが1位。優勝確率は99.0%だった。

そんなナ・リーグ西地区について、各チームの戦力分析とともに今季の順位予想を行っていく。

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【予想1位:ドジャース】あえて欠点を挙げるとすれば

ドジャースのラインナップに穴を見つけるのは困難だ。実績のある選手と将来有望な若手がほどよくミックスされ、バックアップのメンバーまで豪華さを感じることができる。特に、コディ・ベリンジャーとレッドソックスから加わったムーキー・ベッツのMVPコンビは強烈だ。

あえて欠点を挙げるとすれば投手陣だろう。ドジャースはベッツとともに抱き合わせでデビッド・プライスを獲得したが、このベテラン左腕は年俸3200万ドル(約33.7億円)という高給取りの割に、どこまで活躍してくれるか不透明である(年俸の半額はレッドソックスが支払う)。

加えてドジャースは、クレイトン・カーショウやケンリー・ジャンセン、ブレイク・トレイネンら、ビッグネームではあるが、全盛期を過ぎた投手を多く抱えている。「高い給料に見合う働きをするだろうか」という、いかにもスター軍団らしい悩みがドジャース唯一の懸念材料だろう。

【予想2位:Dバックス】今季は誰が見てもPS進出候補

昨シーズンが始まる前、ダイヤモンドバックスが勝ち越すことを予想できた人はほとんどいなかったはずだ。

パトリック・コービンとA.J.ポロックをFAによって失い、主砲のポール・ゴールドシュミットをトレードで放出した時には、誰もがこのチームが再建に向かっていると考えただろう。しかし、終わってみれば85勝77敗、ワイルドカードまで4ゲーム差につけるほどの健闘を見せた。

今オフのダイヤモンドバックスは、昨年とはうってかわって補強に積極的だった。球宴4度出場の左腕マディソン・バムガーナーや、アリゾナ出身でダイヤモンドバックスのファンとして育ったコール・カルフーン、ゴールドグラブ賞2度受賞のスターリング・マルテらを獲得。今シーズンは誰が見てもポストシーズン進出の有力候補の1つだろう。

【予想3位:パドレス】若手とベテランがポテンシャルを発揮すれば…

昨シーズン、地区最下位だったパドレスだが、このチームにはとても期待が持てる選手が集まっている。負傷により84試合の出場にとどまったが、チーム1位のWAR(勝利貢献度)を記録したフェルナンド・タティスJr.や、グローブに刺繍してあるようにときに「Relentless」、つまり容赦ない投球を披露するクリス・パダックら、若手選手のポテンシャルは計り知れない。

ただ、ひとつ残念なのは、若手を牽引するはずのチームリーダーの不在だ。2018年からパドレスに在籍するエリック・ホズマーだが、このチームでは期待通りの活躍をできていない。初年度の2018年はOPS.720、昨シーズンはOPS.735と全盛期から.150ほど数字を下げてしまっている。

期待の若手がポテンシャルを発揮し、ベテランが実力通りの活躍を見せれば、ドジャースの牙城を崩す存在になるかもしれない。

【予想4位:ロッキーズ】期待外れの昨季、残念なオフシーズン

昨シーズン、最も期待外れだったチームの一つがロッキーズだった。2018年、シーズン最終戦でも決着がつかず、あと一歩のところまでドジャースを追い詰めていたロッキーズだったが、翌年の2019年は地区4位と低迷してしまった。

今シーズンのロッキーズは、もはや期待を抱かせるようなチームではなさそうだ。FA市場にまったく興味を示さず、補強と言えばマイナー契約で複数人獲得したのみにとどまった。

またMLB公式サイトによると、チームの主砲であるノーラン・アレナドの放出にロッキーズのGMが触れ、それに対しアレナド自身が反応。「ここの人間は無礼が多すぎる。僕はこのチームの一員でいたくない」と怒りを露わにした。

そんな残念なシーズンオフを過ごしたロッキーズが浮上する鍵は、先発陣の復調だ。カイル・フリーランドやヘルマン・マルケスらが2018年のような活躍ができれば、少しは希望を見出せるかもしれない。

【予想5位:ジャイアンツ】過去の栄光をどう断ち切るか

ここ数年で急激に低迷したためか、ジャイアンツが昨季3位だったことは忘れられがちだ。あと4勝していれば勝率5割に戻すことも可能だったのだ。ただ、その粘りを支えていたチームの主力はもういない。エースのバムガーナーは同地区のダイヤモンドバックスへ、クローザーとして活躍したウィル・スミスはブレーブスへと移籍した。

ジャイアンツが強豪チームに返り咲くには、2010年、2012年、2014年と隔年でワールドチャンピオンとなった過去の栄光をどう断ち切るかにかかっている。時には、バスター・ポージーやブランドン・クロフォードといったチームの顔を試合に出さず、若手を育てることも必要だが、人気球団なだけにその決断は難しいだろう。

今オフ、ジャイアンツはかつての主力、ハンター・ペンスを獲得。彼の復帰は多くのファンを喜ばせるに違いない。ただ、チームの立て直しを阻害する要因になる危険性もはらんでいる。

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