「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

マラソン学生記録歴代10傑、20年ぶり更新で期待高まるパリ五輪と日本新記録

2023 2/8 06:00SPAIA編集部
イメージ画像,Ⓒsportpoint/Shutterstock.com
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒsportpoint/Shutterstock.com

青山学院大・横田俊吾が2時間7分45秒

2月5日に行われた別府大分毎日マラソンで青山学院大・横田俊吾(4年)が学生記録を更新する2時間7分45秒で4位に入った。日本人2番手となり、10月15日に行われるパリ五輪代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」への出場権を獲得した。

1月の箱根駅伝で3区を走った横田は、卓球のスマッシュに似ていることから「横卓球」と呼ばれる、右腕を大きく振るフォームで力走。一度は2番手集団から脱落したが、驚異的な粘りで追いつき、優勝したイブラヒム・ハッサン(ジブチ)、ダニエル・キプチュンバ(ケニア)、市山翼(小森コーポレーション)に続く4位に入った。

学生で2時間7分台は史上初。歴代10傑は以下の通りとなっている。

①横田俊吾(青山学院大学)2時間07分47秒 2023年
②藤原正和(中央大学)2時間08分12秒 2003年
③吉田祐也(青山学院大学)2時間08分30秒 2020年
④細谷翔馬(帝京大学)2時間09分18秒 2022年
⑤サイモン・カリウキ(日本薬科大学)2時間09分41秒 2019年
⑥佐藤敦之(早稲田大学)2時間09分50秒 2000年
⑥土方英和(国学院大学)2時間09分50秒 2020年
⑧出岐雄大(青山学院大学)2時間10分02秒 2012年
⑨藤田敦史(駒澤大学)2時間10分07秒 1999年
⑩瀬古利彦(早稲田大学)2時間10分12秒 1979年

48人がMGC出場権を獲得

1979年に瀬古がボストンマラソンでマークした当時の日本学生記録が現在でも10位にランキングされていることが、男子マラソンの長い停滞を物語っている。

しかし、MGCの新設など日本陸連の改革により、近年はレベルアップが目覚ましい。日本記録も2002年のシカゴマラソンで高岡寿成がマークした2時間6分16秒が長らく更新されていなかったが、2018年の東京マラソンで設楽悠太が16年ぶりに更新すると、大迫傑が同年のシカゴマラソンで2時間5分50秒と初めて5分台をマークした。

さらに2021年2月のびわ湖毎日マラソンでは、鈴木健吾が2時間4分56秒を記録し、ついに4分台に突入。地道な取り組みがようやく実を結んできた。

こうなると期待されるのが2024年のパリ五輪だ。別府大分では横田を含む6人がMGC出場権を獲得。2019年9月15日に開催された前回は、男子は34人が出場して中村匠吾(富士通)が2時間11分28秒で優勝したが、今回はすでに48人が出場権を獲得しており、さらにハイレベルな戦いとなりそうだ。

五輪の男子マラソンでは1992年バルセロナ大会の森下広一が銀メダルを獲得して以来、メダリストは誕生していない。2024年パリ五輪に向け、気運が盛り上がってきた。

【関連記事】
隆盛再び!男子マラソン歴代日本最高記録の変遷
男子マラソン世界記録の推移 キプチョゲが世界新、「サブ2」も近い?
マラソンの賞金事情、東京は優勝で1100万円、川内優輝は収入増?