「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

福士加代子氏が大阪国際女子マラソン初解説で“福士節”約束、2時間19分台も期待

2023 1/22 18:00SPAIA編集部
福士加代子氏,Ⓒカンテレ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒカンテレ

1月29日号砲、MGC前哨戦

第42回大阪国際女子マラソン(正午からカンテレ・フジテレビ系で全国生中継)が1月29日に開催される。モスクワ世界選手権女子マラソン銅メダリストで、当日の解説を務める福士加代子氏が22日、大阪市のカンテレ本社で大会の見どころや意気込みを語った。

今大会は2024年パリ五輪の代表選考会として2023年10月に開催されるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の前哨戦といった位置付け。MGC出場権を持たないランナーにとっては、出場切符獲得を目指す重要なレースとなる。

さらに、2023年8月のブダペスト世界選手権の代表選考レースでもあり、2時間23分18秒の派遣設定記録を突破したランナーは代表候補となる。

福士氏は、見どころについて「2時間20分台の外国人選手がいらっしゃるので、その選手たちが自己ベストを狙ってくるとなると、やはり2時間20分を切る、19分台のレースが見られると思います。そこに、自己ベストが上位の安藤友香選手(ワコール)や佐藤早也伽選手(積水化学)、上杉真穂選手(スターツ)などがどういう形で絡んでくるのかという点が見どころです」と好記録への期待を口にした。

さらに「ペースメーカーも30kmまでつくので、高速レースが期待できます。そして、MGC出場権を順位に関係なく獲得できる2時間24分ぎりのペースメーカーもおく予定だと聞いています。その第2集団の中で、初出場する筒井咲帆選手(ヤマダホールディングス)や𠮷川侑美選手(ユニクロ)がMGC出場権を狙ってくると思うので、後方集団にも注目してもらえればと思います」と話した。

12年ぶりコース変更、沿道の応援も復活

注目選手については「一番は安藤選手です。個人的に思い入れがありますし、トラック種目などでは自己ベストは更新しているものの、マラソンでは、初マラソンから自己ベストを更新していないので、自己ベストを更新するところを見てみたいです」と2017年の名古屋ウィメンズマラソンで2時間21分36秒を出した安藤友香を挙げた。

今大会は第30回大会以来12年ぶりにコース変更される。「“何で私のときに変更しなかったんだ!”と言いたいです(笑)。変更前のコースは悪くありませんが、折り返しで少しスピードダウンしたり、うまく回れなかったり、リズムがいったん崩れるときがありました。

今大会ではその折り返しがなくなって、スムーズに走れるようになります。また、20kmを過ぎたあたりからは上り坂と下り坂が入ってくるので、疲れているときはドンときますが、コースの起伏を使ってリズムを整えられたり、思わぬ形で良い方向に転がったりすることがあると思うので、面白いと思います」と語った。

福士加代子氏

Ⓒカンテレ


さらに沿道の応援も復活。「『大阪国際女子マラソン』はとにかく沿道の応援が途切れないので、観客の中をずっと走っている感覚で気を抜けません。そのくらい緊張した状態で、ずっと応援してくれているので、アクシデント以外で足が止まることはないと思います。常に前向きに背中を押してくれる、沿道のパワーをエネルギーに変えられるような大会だと思うので、いかに自分がその波に乗れるかが大切です」と強調した。

思い出深い大会で初めて解説を務めることについては「渋井(陽子)さんや高橋(尚子)さんに色々と聞きながら、私は見たまんまのことを自然体で話せればと思います。叩かれることを恐れずにいきたいと思います(笑)」と独特の“福士節”を約束した。

1月15日の米ヒューストンマラソンで新谷仁美が日本歴代2位の2時間19分24秒で優勝したばかりで、新記録への気運が高まっている。東京五輪代表の前田穂南は左足痛のため欠場となったが、野口みずきが2005年のベルリンマラソンでマークした2時間19分12秒の日本記録が更新されるか注目だ。

【関連記事】
2005年から破られていない女子マラソン日本最高記録の変遷
マラソンのパリ五輪代表選考レース「MGC」とは?出場条件とファイナリスト
スポーツ界に吹き荒れる「岡山旋風」、次に神風が吹くのは?