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錦織がアジアシリーズを欠場 肘の治療に専念

2019 9/24 17:06中村光佑
プロテニスプレーヤーの錦織圭Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

長引く肘のケガで欠場を決意

日本のテニスファンに驚くべきニュースが飛び込んできた。錦織圭が長引く肘のケガにより、楽天ジャパンオープンと上海オープンの欠場を決定。また、10月14日に出場が予定されていたR・フェデラーとのユニクロのチャリティーマッチも欠場を決め、肘の治療に専念することを明かした。

19日にはダルビッシュ有投手が所属する大リーグのシカゴ・カブスの試合で始球式に登場した錦織。その時は笑顔で元気な姿を見せていただけに、アジアシリーズ欠場の発表はファンの間にも衝撃が走った。錦織は「治るまでには3-4週間かかる」と述べ、エルステバンクオープンやパリマスターズ、11月のデビスカップ決勝ラウンドの出場については明かされていない。

元々、ロジャーズカップや全米の開幕前にも「肘の状態は100%ではない」と語っていたが、今回のケガは非常に長引いていることが考えられる。全米では3回戦で敗れたが、試合後からSNS上でも音沙汰がなかったことも状態の悪さを示唆していたのだろうか。

18年のカムバックと19年の戦いぶりも影響か

錦織といえば、2017年8月にも右手首に大けがを負い、そこから2018年の春先まで約半年間、戦線離脱を余儀なくされた。だが、そこから驚異的なカムバックを果たし、わずか一年足らずでトップ10に返り咲き、改めて錦織圭は日本のエースであることを証明した形となった。

その一方、驚異的なカムバックの裏では21大会に出場した疲労も蓄積し、2019年シーズンに影響を及ぼしたという見方もできる。そして2019年シーズンは全豪4回戦での5時間超えの死闘や、全仏の4回戦の2日にわたる激闘など、長い時間の試合でさらに体に負担をかけることとなり、右肘にも影響を及ぼしたのだろう。

先に述べた通り、錦織はエルステバンクオープン、パリマスターズの出場については特に語っていない。ただ、2009年にも肘の疲労骨折の大ケガを負い、手術するまでに至ったこともあるため、古傷でもあった右肘のケガは復帰までに時間を要する可能性もある。そうなると、早めに今シーズンを終了させ、復帰を2020年の1月からに設定することも考えられる。

2020年の東京オリンピックには「ピークを合わせたい」と語っていたこともあり、今は無理をするべき時期ではない。今後、どういった判断を下すのかに注目だ。

トレーニング映像を公開

肘のケガで本拠地の楽天を含むアジアシリーズを欠場することになったが、それでも「強くなって戻る」と意気込んでいる。22日には公式アプリやインスタグラムなどで様々なフィジカルトレーニングの様子を公開し、トレーニング中の姿はまるで今できることを精一杯やるだけとでも語っているかのようでもあった。

また、大阪の東レパンパシフィック・オープンで優勝を果たした大坂なおみにも祝福のメッセージを送るなど、ファンの心配とは裏腹に元気そうな錦織。手首のケガからカムバックした時のような活躍を期待する声も挙がっている。

現在最終戦ランキングで9位に位置する錦織は、今回のアジアシリーズの欠場により、最終戦出場は厳しい状況に追い込まれた。しかし、仮にエルステバンクオープンやパリマスターズで復帰を果たせば可能性がないというわけでもない。残りの2大会で好成績を収めれば、最終戦の出場は近づくが、古傷を再び負傷したことも考慮すると、肘の状態とうまく向き合うことが必要となるだろう。