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西岡良仁が日本人対決制す 完敗の錦織圭は体調にトラブルも

2019 8/15 12:11中村光佑
ウェスタン・サザンオープンで西岡良仁に完敗した錦織圭Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

日本人対決を制したのは西岡

ウェスタン・サザンオープンの2回戦で日本人対決が実現。第6シードの錦織圭と予選から勝ち上がってきた世界77位の西岡良仁のツアー初対戦となり、西岡が錦織から大金星を挙げた。

第1セットは第2ゲームまで互いにキープしたが、第3ゲームで錦織がダブルフォルトを重ね、最後はバックハンドのミスで西岡が先にブレーク。その後、ブレークバックを図る錦織だったが、西岡は多彩なサーブやショットで錦織を翻弄し、ブレークを許さない。

第10ゲームでサービングフォーザセットを迎えた西岡だが、錦織がフォアハンドダウンザラインのリターンエース、ラリー戦のポイントなどでブレークバックに成功し、勝負はタイブレークへ。しかし、タイブレークに入ると錦織はミスを連発し、6連続でポイントを与えるなど苦しい展開。最後は西岡が7-2でタイブレークを制し、第1セットを先取した。

第2セットも錦織は苦しい展開。第5ゲームまで両者キープを続けるが、第6ゲームでは錦織が0-40でブレークポイントを与えてしまう。だが、西岡のスマッシュやフォアハンドのミスにも助けられ、このブレークポイントをしのいだ。

すると第7ゲーム、錦織がバックハンドリターンエースやフォアハンドダウンザラインを見せ、最後はネットに出た西岡の足元にボールを落として錦織がブレークに成功した。このブレークを生かしたい錦織だったが、第8ゲームではフォアハンドのミス、西岡のフォアハンドウィナーなどで簡単にブレークバックを許してしまう。第9ゲームをキープした西岡は、第10ゲームで錦織のフォアハンドのミスを引き出し、最後はブレークで試合終了。西岡が錦織を下し、初のマスターズ日本人対決は西岡に軍配が上がった。

ほぼ全てのスタッツで西岡が上回る

スタッツを見てみると、錦織はウィナーの合計で西岡を上回っていた。しかし、錦織はミスの合計数で西岡の倍以上を叩いてしまった。前回のロジャーズカップでもそうだったが、とにかくミスが目立つ。

西岡・錦織のスタッツⒸSPAIA

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また1stサーブの確率やサービスポイントの獲得率、リターンゲームのポイント獲得率でも西岡が錦織を上回り、さらに錦織は西岡よりも長い距離を走らされた。西岡は錦織のミスを逃さず、ラリー戦でも粘る錦織に対し、ポイントを落とさないプレーを見せていたことが相手にプレッシャーを与えたといえる。

合計ポイント率でも錦織は西岡に10以上の差をつけられてしまった。錦織から見るとブレークポイント3回のうち2回をものにはしたが、西岡のプレーの前にチャンスを作れず、一貫して試合の主導権を握ることができなかったのが敗因である。

体調不良続く錦織、「全米」へ不安残す

実は試合中、錦織がメディカルタイムアウトを取るシーンが見られ、ドクターから治療を受けながら試合に臨んでいた。錦織は試合後の会見で「ここ2週間、息苦しい」と体調不良が続いていることを明かし、多数のファンから心配する声が上がっている。前週のモントリオール大会からこの体調不良は続いているようで、全米への不安も拭い切れないままだ。

一方、錦織から金星を挙げた西岡は試合後、「勝つことができてうれしい」と満足気な表情。IMGアカデミー出身の先輩後輩対決を制し勢いに乗る西岡は次戦、初のマスターズベスト8をかけてA・デミノーと対戦する。