御嶽海と阿炎が45勝でトップ
年間6場所が開催される大相撲の1年。その締めくくりとなる九州場所(福岡国際センター)が、11月10日に初日を迎える。
賜杯の行方、栃ノ心の大関復帰に注目が集まる今場所だが、注目すべき点は他にもある。その内の1つが「年間最多勝」。1年で全90日間行われる取組の中で、最も白星を記録した幕内力士に贈られる賞だ。
昨年は59勝をマークした大関栃ノ心が、自身初となる受賞を果たした。今年も九州場所の結果をもって受賞者が決定するが、ここまで5場所を終了した時点で“タイトル争い”を演じているのが以下に挙げた上位5名の力士たちだ。
1位 御嶽海 45勝
1位 阿炎 45勝
3位 朝乃山 44勝
4位 豪栄道 43勝
5位 遠藤 42勝
現在、同じ勝ち数で1位タイに位置するのが関脇御嶽海と小結阿炎。御嶽海は秋場所の優勝、阿炎は初場所から秋場所までの連続勝ち越しによりここまで数字を伸ばしている。ちなみに、ここまでの5場所で全て勝ち越しを記録している力士は阿炎の他にはいない。
その両名を星の差1つで追うのが5月場所、そして令和初の優勝力士である小結朝乃山。現時点でも“飛躍の1年”といっても過言ではないほど活躍している今年の朝乃山だが、この勢いを最後まで維持してタイトルを狙っていきたいところだ。
43勝で4位につける大関豪栄道は、上位5名の中では唯一となる大関以上の力士。裏を返せば今年はそれだけ横綱・大関陣が不甲斐なかったということだが、その最後の砦として今場所はなんとか意地を見せたいところだろう。
42勝の小結遠藤は1位と3勝差の5位となっているが、ここ2場所は平幕上位、小結の位置でそれぞれ勝ち越していることから、幕内上位との戦いに適応してきていることが窺える。九州場所でもそのような相撲が取れれば最多勝と共に、自身初となる関脇昇進も十分に現実味を帯びてくるだろう。
今年の年間最多勝のボーダーラインは、55勝以上となることが予想される。現時点での上位5名から受賞者が決まるのか、それとも6位以下の力士の大逆転受賞があるのか。優勝争いに負けじと、こちらも熾烈な戦いが繰り広げられるのは想像に難くない。