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貴景勝、突き押し貫く平成最後の大関が進むべき道

2019 4/1 15:00橘ナオヤ
相撲,Ⓒゲッティイメージズ
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横綱を目指すには四つ相撲が必要か?

貴景勝本人はこの突き押しのスタイルに磨きをかけていきたいと意気込んでいるが、「四つ相撲は序二段レベル」と認めるくらい組み相撲を苦手としている。この取り口の狭さは最大の懸念でもある。

上背がなくリーチのない貴景勝は、まわしを取られると成すすべなく敗れることが多い。三月場所終了後には「それなりに四つ相撲も覚えなければ」と、白鵬も取り口の種類を広める必要があると説いている。

現役の大関や横綱の中でこれほど突き押しに特化した関取はおらず、皆幅広い取り口で相撲が取れる。平成を振り返ってみても、千代大海や曙、武双山くらいだ。奇しくも「四つは序二段・三段目レベル」と語ったように千代大海も四つを苦手とし、取り口が多様な上位勢である白鵬や朝青龍を苦手としていた。

このままでは綱取りはおろか、大関としても活躍できるのかが心配になる。貴景勝が不安視されるのには、こういった背景があるのだ。

突き押しで変幻自在を貫くべきか

対して、このまま突き押しを極めるべきという意見もある。荒磯親方は、下半身の強化によって突き押し相撲が進化していると指摘し、「今の相撲を続ければ間違いない」と言う。

確かに、パワーだけではない貴景勝の突き押し相撲の強さは、下半身が強くなったことで立ち合いのスピードが以前より速くなっている。また、突き押し一辺倒と言われながらも判断が巧みで、相手に合わせて「押し」「突き」「引き」を繰り出す器用さを持っている。三月場所の白鵬戦でも、取組み後半でまわしを取られるまでは横綱相手に五分の突き押し合戦を披露した。

しかし、まわしを取られるとまったく相手にならない。それは技術というよりも体格の問題がある。上位力士の中でも192cmと大柄な白鵬に対し、小柄で腕の短い貴景勝。白鵬のまわしに手すら掛けられなかったのだ。この取り組みを見る限り、中途半端に四つや前三ツを覚えるよりも、変幻自在の突き押しを極める方が貴景勝には向いているように思える。

「四つ」を習得するのか「突き押し」を極めるのか、新元号「令和」のもと行われる五月場所で、新大関貴景勝の覚悟が見られるだろう。

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