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3連覇に挑む照ノ富士は8人目の快挙を達成して大横綱への道を切り開くか?

2022 1/9 06:00横尾誠
照ノ富士,Ⓒ2630ben/Shutterstock.com
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Ⓒ2630ben/Shutterstock.com

3連覇は大鵬、北の湖、千代の富士、曙、貴乃花、朝青龍、白鵬のみ

9日に初日を迎える大相撲初場所で、横綱・照ノ富士が3連覇に挑む。大相撲の歴史上、3連覇を成し遂げた力士は少なく、年6場所制が定着した昭和33年以降で7人しかいない(以下記録はすべて昭和33年以降のものとする)。

照ノ富士は昨年3月、5月場所と連覇し、翌7月場所も初日から14連勝したものの千秋楽に白鵬との全勝決戦に敗れ優勝を逃した。今場所が2回目の3連覇挑戦となる。

大相撲で3連覇以上を果たした力士


これまで3連覇を成し遂げたのは大鵬、北の湖、千代の富士、曙、貴乃花、朝青龍、白鵬のみ。3連覇は一時代を築いた力士でないと成し遂げられない大記録なのだ。

2連覇となると22人が達成しているが、3連覇は7人なので比率にすると31.8%、3分の1程度に絞られてしまう。そんな大記録に照ノ富士が挑戦する。

3連覇挑戦は57例も達成は22例

過去3連覇に挑戦したケースは57例ある。そのうち3連覇を果たしたのは22例。比率にすると38.6%となるので、照ノ富士が優勝できる可能性は3分の1程度と言えてしまうかもしれない。

3連覇をかけた場所、過去57例の平均勝利数を見てみると11.3勝。横綱としては平均値程度の勝利数になるが、これは休場を含んだ数字でもあり、最も多いのは13勝の15例で、2番目に多いのが14勝で9例となっている。

全勝優勝も6例あり、12勝以上だけでも36例で63.2%を占める。約3分の2は12勝以上を挙げていることから、3連覇をかける力士は好成績を残す例が多いのは間違いない。

これだけを見ると、照ノ富士は優勝できるかできないかは別にして、優勝争いには加われると言えるだろう。

3連覇達成力士は曙以外20回以上の優勝

照ノ富士が3連覇に挑戦するのは2回目になるが、2連覇を2回以上達成した力士は照ノ富士を含め12人で、照ノ富士以外の11人の中で3連覇を達成できなかったのは初代若乃花、北の富士、輪島、武蔵丸の4人だ。

この4人の共通点が、優勝が10回台前半ということだ。輪島が14回、武蔵丸が12回、初代若乃花と北の富士が10回。これに対し、3連覇を達成した力士を見てみると、曙以外は全員20回以上の優勝を果たしている。曙は例外と言えるのかもしれないが、それでも優勝11回の力士だ。

そして優勝回数が1桁の力士を見てみると2連覇はあっても3連覇はない。つまりはある程度優勝を重ねられるだけの実力がなければ3連覇を果たすのは難しいとも言える。

大相撲の優勝10回以上力士の連覇回数


優勝6回の照ノ富士は30歳という年齢を考えると、この先、10回、20回と優勝を重ねる姿は想像しづらくもあるが、30歳以上でも千代の富士が19回、次いで白鵬が12回も優勝している。

千代の富士は30歳になった時点での優勝回数は12回だった。つまり、ここから照ノ富士が千代の富士と同等のペースで優勝を重ねていけば、3連覇達成だけでなく、優勝20回超えを果たすのも決して夢物語ではないと言えよう。

曙のように3連覇経験がありながら優勝は11回でとどまった例はあるものの、曙を除けば3連覇は最終的に優勝10回台後半から20回以上を果たせるかどうかの分かれ目になる。

果たして照ノ富士は3連覇を達成して大横綱への道を歩んでいくのか注目だ。

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