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40得点で全チームトップの田村優は「世界の名手」になるか

2019 10/7 14:40田村崇仁
得点ランク1位に立った田村優Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

サモア戦で計18得点

ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会で日本の司令塔、SO田村優(キヤノン)が正確なキックで得点を重ね、躍進の原動力になっている。

10月5日、愛知県の豊田スタジアムで行われた1次リーグA組の第3戦で日本はサモアを38―19で下し、無傷の3連勝で勝ち点を同組トップの14に伸ばして史上初の8強入りに前進。田村は計14得点を挙げて番狂わせを演出したアイルランド戦に続き、サモア戦でも3G、4PGを成功させて計18得点をたたき出し、今大会3試合で計40点と全チーム中の得点ランク1位に立った。

得点数ⒸSPAIA

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計10PGも全チームで最多。26点で現在2位タイのSOモウンガとWTBジョーディー・バレット(ともにニュージーランド)を突き放し、「世界の名手」と呼ばれる日も近づいている。

PG数ⒸSPAIA

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歴代最多はウィルキンソンの277得点

個人別の成績を振り返ると、W杯通算277得点、58PGでいずれも歴代最多を誇るのはジョニー・ウィルキンソン。178センチと大柄ではないが、元イングランド代表で世界でも歴代最高の司令塔とも評価されるSOだ。

歴代得点数ⒸSPAIA

歴代PG数ⒸSPAIA

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左足から正確無比のキックを武器に、試合を組み立てる能力が抜群で、2003年ワールドカップ(W杯)オーストラリア大会では、イングランドの北半球勢初の世界一に輝く原動力になった。地元オーストラリアとの決勝で延長戦の終了間際に利き足と逆の右足で決めた決勝DGは、歴史に残る名場面として語り継がれている。

トライ数は松島幸太朗トップ

サモア戦の試合終盤、値千金のチーム4トライ目を挙げ、貴重なボーナス点をもたらしたのがWTB松島幸太朗(サントリー)だ。初出場だった2015年大会の米国戦でW杯初トライ。今大会開幕戦のロシア戦での3トライ(ハットトリック)で注目を集め、これで前回大会と合わせてW杯通算5トライとなり、朽木英次に並んでいた日本の最多記録の4を更新。今大会4トライは、アルゼンチンのモントジャと並んでトップとなった。

トライ数ⒸSPAIA

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W杯の通算トライ数は歴代最多15で、南アフリカのWTBブライアン・ハバナとニュージーランドのWTBジョナ・ロムーが並んでいる。今大会でみると、4大会連続出場となる強国オーストラリアの万能バックス、アシュリークーパーが通算12トライ目を挙げ、W杯最多記録にあと3と迫っている。

歴代トライ数ⒸSPAIA

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タックル数はムーア2位タイ

公式サイトによると、タックル回数の成績でも日本はロックのジェームス・ムーア(サニックス)が48回で2位タイにつけており、フッカーの堀江翔太(パナソニック)が44で4位。フィジカル勝負で引けを取らず、攻めのディフェンスで相手の攻撃の芽をつぶしているのが大きい。

タックル数ⒸSPAIA

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W杯歴代最多はニュージーランド元主将のリッチー・マコウで計225。歴代最多3度の優勝経験がある王国のリーダーに長らく君臨し、今大会で前人未到の3連覇を目指す「オールブラックス」で歴代最多148キャップを誇るレジェンドだ。

チーム別ではニュージーランドが最強証明

チーム別で見ると、歴代最多得点はニュージーランドが2459点で断然トップ。通算トライ数も333でいずれも2位のオーストラリアを引き離し、最強ぶりを証明している。

タックル数ではオーストラリアが4322で歴代トップ。PG数は1位のフランスが140、2位のイングランドが135でトップを争っている。

※成績は10月6日終了時点