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東京パラリンピック500円チケットも、22日抽選受付開始

2019 8/19 06:00田村崇仁
金メダルが期待される国枝慎吾Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

五輪より安いお手頃価格

来年8月25日に開幕する東京パラリンピックの詳細な競技日程とチケット価格が発表された。大会組織委員会は「フルスタジアム(満席)」を目標に掲げ、公式チケット販売サイトで今月22日未明から1次抽選販売の申し込みを受け付ける。グループ向けの企画チケットは最低500円に設定され、五輪と比べてワンコインからでも購入できるお手頃価格が特徴だ。観戦へのハードルを下げ、特に子どもや家族での観戦を呼び掛けている。

締め切りは9月9日午前11時59分まで。抽選結果は10月2日に通知され、購入期限は同15日午後11時59分までとなる。

チケット販売日程ⒸSPAIA

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今回対象となるのは一般チケット、車いす利用者と同伴者のチケット、12歳以下の子どもや60歳以上の高齢者、障害者を含むグループ向けの企画チケットの3種類。五輪では初日からサイトにアクセスが集中して予想外の競争倍率に競り負け、まだチケットが手に入っていない人でも五輪と同様の熱い戦いが繰り広げられる障害者スポーツの祭典でリベンジするチャンスだ。

五輪と同じID可、当選は最大30枚

チケットの購入には、東京五輪・パラリンピック共通の「TOKYO2020ID」の登録が求められる。五輪のチケットを申し込んだ人は同じIDを使うことが可能で、パラリンピックから申し込む人は新たに登録が必要となる。

抽選販売では五輪と同じ第1希望と第2希望でそれぞれ1人30枚まで申し込むことができ、最大の当選枚数は合わせて計30枚まで。今回の1次抽選販売は先着順ではなく、組織委員会は「申し込みの順番は抽選結果に影響しないので、期間中に余裕を持って慌てずに申し込んでほしい」と呼び掛けている。

最高額は開会式の15万円

東京パラリンピックの観戦チケットは、招致計画の段階でおよそ約230万枚。一般チケットはA~Eの5種類があり、最高額は開会式の15万円となる。競技の最高額は水泳の決勝、車いすバスケットボールの決勝・3位決定戦のA席で7000円。最も安いのはカヌーやボート、ゴールボールなど5競技の900円。当選したチケットは全て一括で買い取るルールは五輪のケースと一緒だ。

今回外れたとしても来年初めに公式販売サイトで第2次抽選販売が行われ、来年春以降には販売所で売り出されることにもなっている。購入したものの観戦に行けないという場合は、定価で転売する公式サービスも開始する。

チケット価格ⒸSPAIA

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学校連携観戦チケット

注目は全国の小中高校や特別支援学校の児童・生徒らを対象にした「学校連携観戦チケット」。五輪を含め100万枚以上準備し、五輪は一律2020円だが、パラリンピックでは500~2020円に設定された。民間サービスなどを通じての一般向けの販売はなく、組織委が全国の自治体に呼び掛ける。

五輪で販売される観戦チケットと豪華な食事などがセットになり、最高635万円という富裕層向けの「公式ホスピタリティパッケージ」については、パラリンピックも検討中とされている。

2020年8月30日は「ゴールデンサンデー」

東京パラリンピックの全22競技、540種目の日程も発表され、新国立競技場での開会式は8月25日午後8時スタート。9月6日の閉会式も五輪と同じ夜の時間帯で午後8時に始まり、午後11時までとなった。

暑さ対策として9月6日の男女マラソンは午前6時半、8月29、30日の男女トライアスロンは午前7時半とスタート時刻をそれぞれ30分前倒しした。金メダル第1号は8月26日の自転車女子個人3000メートル追い抜きで誕生する。

序盤から日本勢のメダルが期待される有望種目が行われ、大会第4日の8月28日には前回リオデジャネイロ大会の競泳で「銀」2「銅」2を獲得した全盲クラスの木村敬一(東京ガス)が出場予定の男子50メートル自由形(視覚障害S11)、レーサーと呼ばれる競技用車いすに乗る佐藤友祈(WORLD-AC)が世界記録を持つ陸上男子400メートル(車いすT52)などでメダルが期待される。

多くの子どもたちにパラリンピックを観戦してもらうことで多様性や共生社会について考えるきっかけにしてもらおうと、家族と一緒に訪れやすい最初の日曜日となる第6日の8月30日には、日本が昨年の世界選手権を制した期待の車いすラグビーなど決勝が集中。陸上、トライアスロン、ボート、水泳、柔道などの決勝種目も行われ、組織委は中盤のヤマ場を「ゴールデンサンデー」と銘打ってアピールする。

車いすテニスは男女金も期待

大会終盤は新競技が行われ、テコンドーは9月3日から、バドミントンが9月5日と6日にそれぞれ決勝が行われる。上地結衣(三井住友銀行)と国枝慎吾(ユニクロ)の男女シングルスで金メダルの期待がかかる車いすテニスでは女子の決勝が9月4日、男子の決勝が9月5日にそれぞれ行われる。

陸上は8月29日に、前回のリオデジャネイロ大会で銀メダルを獲得した山本篤(新日本住設)が出場を目指す男子走り幅跳び(義足T63)、前回大会で重本沙絵(日体大院)が銅メダリストとなった女子400メートル(上肢障害T47)の腕に障害があるクラスも注目だ。

前回銀メダルで世界記録を持つ道下美里(三井住友海上)が出場する女子マラソンの視覚障害のクラスは最終日、9月6日の早朝スタート。

トライアスロン女子で谷真海(サントリー)が出場を目指す運動機能障害のクラスが8月29日、夏冬合わせて8大会目の出場を目指す土田和歌子(八千代工業)の車いすのクラスは同30日にそれぞれ行われ、こちらも目が離せない。

前回リオ大会の銀メダルで一躍話題となったボッチャの団体はエースの杉村英孝(伊豆介護センター)を中心に9月5日の決勝を見据える。