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【AJCC】12~2月の成績は【1-2-2-0】東大HCの本命は厳寒期に強いステイフーリッシュ

イメージ画像ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
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ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

前残り傾向が強い

1月26日(日)に中山競馬場で行われるのは アメリカジョッキーC(GⅡ・芝2200m) 。9週に渡った年末年始の中山開催を締めくくる一戦だ。一昨年の有馬記念馬ブラストワンピースやミッキースワローなどが人気を集めそうだが、その2頭の評価や、その他で狙いたい穴馬を検討していく。

まずはコースの特徴や馬場傾向、レース展開を分析していこう。

前後半5Fと1~3着馬の脚質ⒸSPAIA

先週の京成杯が差し傾向だったのに対して、AJCCは一転して前残りの傾向が強い。逃げ馬が過去10年で4度馬券に絡むなど、連対馬20頭のうち実に18頭が4角6番手以内だった。今年は12頭立てなのでそれほど神経質にならなくてもよさそうだが、4角10番手以下の馬は【0-0-0-38】という悲惨な成績。何をどうひねっても追い込み馬は推奨しづらい。

今年のメンバー構成を見ると、逃げそうなのは同舞台のオールカマーを逃げ切ったスティッフェリオくらい。同馬もそのオールカマーの1000m通過タイムが61.8というように、他に逃げ馬がいないから逃げたという感じ。自分で強気にペースを上げていくタイプではないのでスローペース濃厚だろう。例年の傾向に漏れずとにかく前で運ぶ馬を狙うのが賢明だ。

内枠有利のコースデータだが……

過去3年の中山芝2200m枠番別成績ⒸSPAIA

中山芝2200mは外回りを使用(=コースに占めるコーナーの部分が多い)ため、同じ一周でも内回りを使用する芝2000mと比べて内枠有利の傾向が強いコース。

ぱっと見分かりづらいかもしれないが、1~4枠は連対率18.3%に対して5~8枠は11.7%に留まる。6.6%は無視できない差だ。しかし一方で、先週の馬場傾向を思い出すと日曜メインの京成杯はクリスタルブラックが大外から豪快な差し切り。最終も1200m戦ながら外を回し続けた6番人気タマモメイトウが勝利と、明らかに内の状態が悪く、外有利の馬場。こういう時はとても困るのだが、過去3年という大づかみなデータよりは直近の馬場傾向の方を優先して考えたい。

また、予想時点で日曜中山は雨予報。連続開催の最終週で雨が降るとかなり時計のかかるコンディションが想定される。たとえば人気の一角ミッキースワローは良馬場以外では6、13、11、10、1着(勝った七夕賞は稍重発表ながら勝ち時計が1.59.6と標準的に時計が出る状態)と渋った馬場での成績があまりよくない。道悪を苦にしない馬を買うのがベターだろう。

ここまでの内容を整理すると、
1.前残り傾向の強いレース。今年もスロー想定
2.本来は内枠有利のコースだが、馬場傾向を優先して外め狙い
3.道悪を苦にしない馬を買う

ということになる。以上を踏まえて出走馬の検討に入ろう。

この条件にドンピシャのステイフーリッシュ

本命はステイフーリッシュ。中山コースは2度走って3、2着のコース巧者。前走のチャレンジCは10着と敗れたが、着差でいえばわずか0.6秒。基本的に昨年末の阪神芝は、逃げもしくは内で溜めた馬に有利な馬場状態だったので、外からジワジワと脚を使う形での敗戦は着順以上に評価できる。そもそもステイフーリッシュにとって時計の出る馬場で阪神芝2000mという条件は多少忙しい感もある。【1-1-0-0】の2200m戦に替わるのはプラスだろう。

同馬は冬場の成績がよく、いわゆる“冬馬”という印象。夏場が全くダメというわけではないが、厳寒期の12~2月は【1-2-2-0】と高い信頼度を誇る。よって、冬場・中山・芝2200mという条件が重なるこのレースはドンピシャの条件だし、前半で述べた外め、先行馬という点にも合致する。鞍上もルメール騎手にスイッチして勝負気配抜群だ。

対抗はブラストワンピース。極悪馬場かつ初の海外遠征、初の調整パターンだった凱旋門賞はともかく、目黒記念までの敗戦はいずれも展開や進路取りにハッキリとした敗因あり。力負けを感じたことはない。実績的にはGⅠ・1勝馬に過ぎないが、実力は現役トップ格の1頭。遠征のダメージさえなければこのメンバーでは一枚上手。

3番手はスティッフェリオ。前走の有馬記念は前半1000m通過58.4のハイペースを2番手追走。一周目で10番手以降にいた馬がそっくりそのまま上位7頭というレースだったので、大敗もやむなしだろう。ただ、現状GⅠでは力不足なのも事実。GⅡの相手関係で見直しだが、勝ったオールカマーは馬場と展開に恵まれた面もある。過信はしたくない。

ラストドラフトの前走は抜け出す脚が秀逸だが、ゴール前で急失速してサトノガーネットの強襲に屈した。パトロールビデオを見ると抜け出した時に左に大きく刺さっている。右回り替わりと鞍上2戦目で同じ轍は踏まないだろう。ただしこの馬の場合、重馬場の弥生賞で大敗しているように雨が降るとツラい。一概に欧州種牡馬=道悪に強いと言っている人もいるようだが、同馬の父ノヴェリストは自身がキングジョージを2.24.60というスーパーレコードで勝った高速馬場巧者で、産駒の成績も良馬場の方がいい。

以下、外枠の先行馬という点で長期休養明けだがグローブシアターは押さえておく。

ミッキースワローは先に触れたように道悪に不安があるタイプ。脚質的にもレース傾向・展開に合致しない。12頭立ての少頭数で何もかも押さえていては仕方がないのでこちらは切って勝負したい。

ニシノデイジーは現状、好走パターンがじっと脚を溜めて展開がハマったときに限られる。そういう展開にはならないと予想しているし、かといって自力で動いて勝ちに行く競馬が合うとも思えないので今回は無印にした。ただ、末脚は確かなのでいずれ条件が揃ったレースで穴を開けそうだ。

▽AJCC予想▽
◎ステイフーリッシュ
○ブラストワンピース
▲スティッフェリオ
△ラストドラフト
☆グローブシアター