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過去に「該当馬なし」が3回 サマーマイルシリーズ王者になるのは難しい

2019 7/16 07:00門田光生
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ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

過去に「該当馬なし」が3回も

今週の中京記念から始まるのがサマーマイルシリーズである。

サマーシリーズでチャンピオンになるのが最も難関なのはこのシリーズではないか。なぜなら3戦しか行われないし、しかも3戦ともGⅢ。ということは、サマースプリント、サマー2000と違って1位の点数が全て同じなのだ。

ちなみに、過去に該当馬なしが3回もあるのは、いずれも勝った馬が1回しか出走しなかったからである(ルール的に12点以上が必要で、1勝10点では得点不足)。

また、昨年など1勝もしていない馬が最高得点となり、ポイント上ではトップなのに権利がないという異常事態となった。今年でいえばスタートの中京記念が7月21日、最後の京成杯AHが9月8日。約2か月半の間に、しかも暑い時期に3走するのはさすがに厳しいが、過去の優勝馬のほとんどは3走している。こうなると、陣営の本気度を推測するしかないのだが、ひとついえるのは、GⅠで勝ち負けするような馬はそこまで無理をする可能性が少ないということ。

過去のサマーマイル王者の戦績ⒸSPAIA

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例えば、中京記念で優勝するとしよう。これで10点。しかし、万全を期して最後の京成杯AHを使うとしても万が一、ここで掲示板を外してしまったらポイントは1点しかもらえないのだ。サマーマイルの優勝資格は1勝以上かつ12点以上なので、その時点でアウトだ。万全を期すなら関屋記念に使い、掲示板を外したら京成杯AHも使うというローテーションが一番いい。現に、過去の優勝馬6頭中4頭は3つのレース全てに参戦している。

しかも、その全てが2戦目終了時点で11ポイントと、優勝に1ポイント足りない状況である。サマーマイルを優勝するには、3戦目を使わざるを得ない状況になっていたわけだ。残る1頭は2戦目で1、2着と優勝条件を満たしていたので3戦目は使わず。もう1頭は1戦目に優勝し、最終戦で見事2着となりシリーズのチャンピオンとなった。

一番の近道は中京記念の勝ち馬を探すことか。過去7年で中京記念優勝馬がサマーマイルのチャンピオンに輝いたのは3回。残る4頭のうち3頭はその年の夏に使っていないが、2014年のサダムパテックは京成杯AHを使ってタイトルを取りにいっている(8着)。一応、中京記念を勝った馬はサマーマイルのタイトルを狙う確率は5割以上ということになる。

サマーマイル路線注目馬は?

その中京記念出走予定馬で有力候補を挙げるとすればミエノサクシード。速い上がりを使える馬で、特に未勝利を勝った新潟では11.5-10.3-11.6のラップを差し切っている。その新潟で行われる関屋記念で大いに期待できるので、中京記念で掲示板に載ればかなり楽しみになる。

もう1頭、中京記念予定馬ではないがミッキーグローリーを取り上げたい。昨年の京成杯AHを勝っている馬で、これが関屋記念で好走すれば、連覇を狙える京成杯AHにも出走する公算が高く、ノルマクリアの可能性が高まる。昨年より実績がある状態での出走になるので、京成杯AHのハンデがカギになるかもしれない。

もちろん、過去に3度もあったのだから「該当馬なし」と答えるのも、もちろん悪くない。それどころか、確率的に最も高いのがこれかもしれない。

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬などの記事も執筆中。


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