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黄金世代の大里桃子が狙うメジャー制覇と「脱・渋野日向子の親友」

2019 10/8 18:19akira yasu
日本女子オープンで2位タイに入った大里桃子Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

日本女子オープンで畑岡奈紗とV争い2位タイ

女王は優勝が決している18番ホールでもアクセルを踏み続けた。

2019年10月3日~6日に三重県のCOCOPA RESORT CLUB 白山ヴィレッジゴルフコースで開催された日本女子オープンは、最終日最終組のペアリング(日本女子オープンの決勝ラウンドは2サム)になった畑岡奈紗と大里桃子の黄金世代コンビが盛り上げた。

結果、黄金世代のエース畑岡が、2位タイの大里らに4打差をつけて優勝。フェアウェイキープ率3位、パーオン率2位、パット数4位。パーオン率が高くてパット数が少なければスコアが良いのは当然といえる。最終18番ホールでは優勝が決していても尚、5メートルほどのバーディパットを沈めるなど、大観衆の前で強さを見せつけた。

畑岡はこれで日本女子ツアーの国内メジャー大会は6戦4勝となった。勝率.667、とてつもない数字だ。

畑岡メジャー成績ⒸSPAIA

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大里はパットの好調が、2位タイの好成績に繋がった。最終日パット数は18位だったが4日間トータルでは1位だった。

調子が良かっただけに最終日の3番ホールと8番ホールで外した短いパットが悔やまれる。どちらも入れていたら、畑岡にプレッシャーをかけることができた。

畑岡と大里以外にも黄金世代の面々が躍動した。畑岡、大里の他に高橋彩華、渋野日向子、田中瑞希の5名が9位タイ(上位11名)までに入り、今季の黄金世代の快進撃を象徴する大会となった。

史上初の快挙以降苦しんだ大里

大里は2018年8月に開催されたキャットレディースで「プロテスト合格年に優勝」という史上初の快挙を遂げたがその後苦しんだ。

キャットレディース翌週のニトリレディースから、最終戦のツアーチャンピオンシップまで、12戦して7度予選落ち。2019年もシーズン序盤は不調が続き、開幕戦のダイキンオーキッドからパナソニックオープンレディースまで9戦して6戦連続を含む7度予選落ちした。

シーズン中盤も予選を通過できない時期があるなど来季の賞金シード獲得に黄色信号がともっていた。

今季はメジャーできっかけつかむ

大里は今回の日本女子オープンで獲得賞金11,850,000円を追加し、シード圏外だった賞金ランキングは36位となり、来季の賞金シードを確実にした。

次の目標は、女子ツアー最終戦で4戦目のメジャー大会になるツアーチャンピオンシップの出場権獲得だ。同大会の出場権は、前週の大会までに賞金ランキング30位以内に入る必要がある。大里と現在30位の淺井咲希までの差は500万円程で、同大会まで試合数が残されていることから、出場権を獲得する可能性はある十分にある。

今季はメジャー大会で浮上のきっかけを掴んでおり縁起が良い。

5月のワールドレディースチャンピオンシップで予選を7位通過、最終的に16位に入り、そこから10戦連続で予選を通過した。そして、9月の日本女子プロでは予選を今季3度目のトップ10で通過し、次の2戦も余裕を持って予選を通過。良い流れで今回の日本女子オープンに臨んでいた。

「大里桃子」として認知されるために進化必要

大里は先述したプロテスト合格年にツアー優勝、という快挙を達成したとはいえ、2018年の賞金ランキングは49位で賞金シードをぎりぎりで獲得した。今季も賞金シードを確実にしたのがこの時期ということを考えると、来季以降も安泰ではない。

賞金シードの有無はレギュラーツアーの出場機会に大きく影響を与える。大里は「渋野日向子の親友、と紹介されるのが嫌。プライドがある。大里桃子として認知されたい」と言っているが、「大里桃子」として認知させるためには更なる進化が必要だ。畑岡や渋野らとともに、輝きを放ち続ける黄金世代の一員として、今シーズンの残り、そして来シーズン以降、優勝争いに加わるシーンを多く見せてほしい。

キュートなルックスをしている。強くなれば「大里桃子」の知名度も人気ももっと上昇するはずだ。