「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

エイムポイントエクスプレス、ツアー選手も採用するパッティングラインを読む方法とは【ゴルフハウツー】

2021 8/30 06:00akira yasu
稲見萌寧,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

目で見て読むだけでない、ラインの読み方

グリーン上でパッティングラインを読む時、ほとんどのゴルファーはグリーンの傾斜を目で見て、ラインのイメージを膨らませながら打ち出す方向や強さを決めていることだろう。

しかし、目からの情報だけでは錯覚を起こすことがある。ボールが転がるライン周辺の見え方などによって、「右に曲がると思って打ったら左に曲がった」といったことが起こりやすい。

そこで、そのような読み違えを減らす方法として、エイムポイントエクスプレスというものがある。プロのトーナメントではグリーン上で顔の前で指を立てている選手がいるが、あれがエイムポイントエクスプレスだ。

足裏で傾斜を読む

まずは、体正面をカップの方向に向けて立位を取り、足裏で傾斜の度合いを読む。そして、もともと定めておいた傾斜の度合い「レベル1~レベル5」のうちのどれに当てはまるかを決める。

エイムポイントエクスプレスでは、この足裏でのライン読みが最も重要で、ここが間違ってしまうと、最終的に導き出される「狙い(打ち出し方向)」は、間違ったものになってしまう。

よって、エイムポイントエクスプレスを学ぶ講習会では、足裏で傾斜を感じ取り、それがレベル1~5のどれに該当するのかを正しく判断できるようになるためのトレーニングから始まる。

顔の前でターゲット方向に指を立てる

足裏でラインを読んだら、次は狙いを定める。ここでは指を使う。

レベル1の場合は人差し指1本、レベル2の場合は人差し指と中指の2本、といったようにレベルに応じた本数の指を顔の前で立てる。そして、カップの中心に立てた指の端を合わせる。その時の、逆側の指の端の地点が狙いとなるのだ。

例えば、レベル2の右から左に曲がるラインだとすると、人差し指の左端をカップ中央に合わせた場合、中指の右端が狙いとなる(右手を使う場合)。

転がりが速いグリーンや下り傾斜の場合は、曲がり幅が大きくなるので、肘を曲げて指を顔に近づける。そうすると、大きくなる曲がり幅に合わせて、狙いをカップ中央から外す度合いが大きくなるのだ。遅いグリーンや上り傾斜の場合は、逆に肘を伸ばて指を遠ざける。

稲見萌寧も採用

東京オリンピック・銀メダリストの稲見萌寧は、このエイムポイントを使ってラインを読んでいる。稲見はアマチュア時代、ナショナルチームに所属していた。その際に、招聘されていたガレス・ジョーンズコーチからエイムポイントエクスプレスの指導を受け、それを今も実践している。

エイムポイントエクスプレス第一段階の足裏で傾斜を読む、というのはトレーニングが必要になる。興味がある人は、まずはスマホの傾斜測定アプリなどを使って、傾斜の度合いが感覚と一致しているかどうかをチェックしてみると良いかもしれない。

詳しくエイムポイントエクスプレスについて学びたい人は、教育を受けた有資格者の指導を受けると、ラインを読むスキル向上が期待できる。

ラインの読みは重要だ。完璧なストロークをしても、ラインの読みが合っていないとカップインしない。ラインの読みが間違っていてもカップインすることはあるが、それはストロークにエラーがあるからで、そのカップインは”たまたま”ということになる。それで良しとしていては、カップインの確率を上げることは難しい。

指を立てる段階のところまでは、取り入れなくても、足裏の感覚を鍛えて生かすところまでは、一般のゴルファーも取り入れてみて欲しい。より足裏を使えるようになれば、パット数減が期待できる。

【関連記事】
【女子ゴルフ】銀メダリスト稲見萌寧は完璧主義者 アドレスやテークバックを細かくチェック
バックスイングからトップオブスイングでスムーズに体を回すコツ【ゴルフハウツー】
テークバックで右へのスウェイを防ぐために必要な体の力の使い方【ゴルフハウツー】