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フェアウェイウッドやユーティリティの使い方【ゴルフハウツー】

2020 6/22 06:00akira yasu
ⒸMihai_Andritoiu/Shutterstock.com
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ウッドの多様化

ギアやボールのテクノロジーが進化し、フェアウェイウッドやユーティリティなどのウッド系のクラブでもグリーンを狙いやすくなった。これにより、ロングアイアンではなくウッド系のクラブを使用するゴルファーが多くなった。

3番アイアンや4番アイアンなどのロングアイアンはミスヒットした場合、ボールが上がりにくく飛距離のロスの度合いが大きい。一方でウッド系のクラブは、多少ミスヒットしても、ある程度上がり飛距離が出るクラブが多い。つまり、昔のウッド系クラブに比べて飛距離、高さ、スピン量を確保しやすくなったのだ。

昔は2番アイアンを武器にし「2番アイアンを打てなくなったら現役を引退する」と言っていたツアー選手も、今ではウッド系のクラブを多くセッティングし、アイアンは4番からとなっていたりする。

このように使い勝手が良くなっているウッド系のクラブでも、使い方には注意が必要。使用するシーンよって、正しい判断が求められる。

打ち方はアイアンと同じ

ウッド系のクラブはアイアンと同じように、「ダウンブローか?払い打つのか?」という疑問を持つゴルファーもいるのではないだろうか。

基本はアイアンと同じ打ち方で良いだろう。クラブが長くなるのでアイアンと同じように構えてスイングしても、アイアンより横振りになり、結果として払い打つ軌道になりやい。

ライの見極めが重要

まず、傾斜の度合いやラフの場合のボールの沈み度合いをチェックする必要がある。ピンまでの距離が残っているからという理由だけで、ウッド系のクラブを使うのはリスクが大きい。ボール地点の傾斜やラフの状態によっては、残り距離に問わずアイアンを選択した方が良い場合がある。

左足上がりはさほど難しくない傾斜の種類なので、気にしなくても良いかもしれない。しかし、それ以外の傾斜に関してはフェアウェイウッドの選択はリスクが大きくなる場合があるため、対応できる傾斜の度合いかどうか慎重に見極めたい。

ボールが浮いているラフからのショットは、芝の抵抗があまり無いので、ウッド系のクラブでも飛距離を出すことができる。しかし、ボールが沈んでいるラフからのショットは芝の抵抗が大きくなる分、アイアンに比べて軽いウッド系のクラブではボールに力を伝えることが難しくなり、飛距離を出しにくい。

また、ダウンブローのクラブヘッド軌道であれば芝の抵抗に負けにくいが、クラブが長くレベルブローになりやすくなるウッド系のクラブでは、芝の抵抗に負けやすい。そのため、ダウンブローになりやすいアイアンで打った方が飛距離を出せる場合がある。

トーナメントを観ていると、ツアー選手でもラフの長さによっては飛距離を出すことを諦めて、ショートアイアンで打つ場合がある。パワーやテクニックを駆使しても、ボールの沈み具合によってはウッド系のクラブでイメージ通りのショットを打つことは難しいのだ。

ウッド系のクラブに頼り過ぎないようにする

ウッド系のクラブはアイアンとは違い、クラブヘッドの根元がえぐれていない。根元もクラブフェースだ。よって、アイアンでは根元でヒットすると飛距離のロスが大きいが、ウッド系のクラブは根元でヒットしても、飛距離のロスは小さい。これは、ウッド系クラブの長所だが、印象としてミスヒットがぼやけてしまうという点で短所にもなる。

根元に当たってしまったのであれば修正をする必要があるが、ある程度飛んでいることで、修正着手に至りにくいのだ。そうなると、根元に当たるスイングを固めてしまいかねない。ウッド系のクラブで飛距離のロスを減らすことが難しくなるだけでなく、アイアンが苦手になってしまう。

ウッド系のクラブは使い勝手が良いが、使い方には注意が必要。ライを見極めて、頼り過ぎないようにしたい。

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