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【Bリーグ第4節】横浜・ターンオーバーでGAME1を落とすがGAME2は撃破する

2019 10/22 11:00マンティー・チダ
横浜ビー・コルセアーズの竹田謙Ⓒマンティー・チダ
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Ⓒマンティー・チダ

【第4節 GAME1】ターンオーバーで自滅した横浜

横浜はホームアリーナ‟横浜国際プール”の初戦を迎えた。相手は今シーズンB1復帰を果たし、ここまで全敗している島根。横浜は2勝2敗。連勝できるのか、それとも島根が今シーズン初勝利を飾れるのかを注目した。

1Q、横浜は#14ジョルジー・ゴロマンの3pとバスケットカウントで出だしから6点を挙げ、#42ジェイソン・ウォッシュバーンがフリースローで2点を加点し8-0とリードする。しかし、島根#4ロバート・カーターにフローターなど6点を返され2点差となり、横浜・ゴロマンが個人ファウルを2回コールされてベンチに下がった。このまま流れが島根に行くかと思えたが、横浜#21田渡凌がリングに向かってアタックし、レイアップを2本入れてリードを6点に広げる。その後互いに得点を重ねていくものの、20-15と横浜リードのまま終えた。

2Q、横浜はウォッシュバーンと#32エドワード・モリスのジャンプショット、#2橋本尚明がファストブレイクに成功するなど29-20とさらにリードを広げる。このQは横浜優勢で進みかけるが、ここでパスミスやパスを味方選手へ出せずに躊躇してしまうと、その間に島根がボールを奪うなど、横浜はターンオーバーを多発して得点が止まる。さらに島根#6北川弘が3p、#41ブライアン・クウェリのランニングシュートなどで29-30とされるが、横浜も#10アキ・チェンバースのカットインなどでリードを奪い返し、前半は最終的に36-32と横浜が4点リードで終了した。

後半、3Qの立ち上がりは、横浜が主導権を握り、チェンバースやゴロマン、田渡が得点に絡む。しかし49-40と横浜が9点リードしたところで、再び2Qのようにターンオーバーを重ねる展開に。その間、#18相馬卓弥の3pなどで逆転を許した上に、先に50点台に乗せられ、6点リードを許す。

4Q、何とか巻き返したい横浜だったが、序盤から島根・カーター、クウェリの得点で10点リードとされる。ここで、横浜はトーマス・ウィスマンHCがタイムアウトを請求。明けてからゾーンディフェンスを敷くが、点差は縮まることがないまま中盤を迎えた。

横浜ビー・コルセアーズの田渡凌Ⓒマンティー・チダ

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残り6分14秒、横浜はウィスマンHCがチェンバースをベンチに下げて、モリスをコートに送り込む。ウォッシュバーンとゴロマン、このモリスと合わせてビッグラインナップを形成した上でゾーンディフェンスを続行。田渡とウォッシュバーンが得点を重ねていくが、再び横浜・ウォッシュバーンがターンオーバー。そこから島根・相馬にファストブレイクを決められる。

結局、追い上げることはできず、ターンオーバーが大きな命取りとなり、 64-74で横浜が敗れ、島根が今シーズン初勝利を飾った。

「中学レベルのミスばかりをしていたというのが本当に残念」ウィスマンHC

GAME1でターンオーバーは18。この数字が象徴するように、横浜は自滅して島根に敗れた。さらに、3pシュート決定率21.1%、全体のシュート決定率も35.9%と低い数字が並んだ。

「今日は本当にひどい試合でした。いろいろミスがあったりして、自分たちのバスケが出来なかった事が非常に残念」

ウィスマンHCは、GAME1をこう語った。

GAME1ではボールマンがパスを出せる選手を探している間、相手選手につぶされてボールを奪われること、パスが繋がらずにボールがラインを割ってしまうなど、シュートに持ち込むまでのプロセスでエラーが多くなっていた。

「ターンオーバーについては、これからどういうスペーシングとかオフェンスをすればよいかというのをコーチ陣と話し合いながら直していきたいと思います。ただ、GAME1のターンオーバーに関してはケアレスなミスで、プロでやってはいけない事がいっぱいありました。中学レベルのミスばかりをしていたというのが本当に残念な気持ちで一杯」

思わず「中学レベルのミス」とコメントしてしまうほど、目を覆いたくなるようなターンオーバーが続いたことで横浜の得点は止まり、島根に逆転を許すきっかけとなってしまった。

ウィスマンHCは4Qからゾーンディフェンスを仕掛ける決断をしたが、特効薬とはいかなかった。途中モリスを入れてビッグラインナップにしても相手のリズムを崩すところまではいかなかった。

横浜ビー・コルセアーズのトーマス・ウィスマンHCⒸマンティー・チダ

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「ビッグラインナップになる前からゾーンディフェンスを敷いていましたが、それでもゴール下がやられてしまい、ビックラインナップでゾーンディフェンスをして新たな答えを見つけようと考えていましたが、それはできませんでした。良い答えは見つかっていませんが、いろいろ工夫をしていきたいと思っています」

何とか悪いリズムを変えようとしたが、効果を得られないまま終わってしまった。歯がゆい試合だった。こういう試合展開は長いシーズンで十分に想定される。GAME1の負けは無駄にしたくないところだ。

「連敗しないことが大事」竹田謙

「本当にひどい試合」と振り返ったウィスマンHCに対して、チーム最年長の竹田は冷静に試合を分析していた。

「自分たちで自滅したのは間違いないので。インサイドのミスマッチに拘り過ぎて、自分たちのリズムを自分たちで失っていた。それでディフェンスもひきずって、悪いパターンでした。そこだけですね」

竹田は敗れた原因を淡々と話す。オフェンスでボールが停滞。ミスマッチで優位になるはずの場面でボールが回らなくなり、パスも乱れてしまったことで、ターンオーバーを重ねて島根ボールとなるシーンが何度もあった。よってその後のディフェンスでは焦りからゴロマンをはじめ個人ファウルが積み重なっていた訳だ。これは、ディフェンスが崩壊して攻撃に転じられなかったという事ではないとも取れる。

「(今シーズンは)ディフェンスファーストのチームになろうとしてやっているのが一番の違い。もう少し安定感が出てくれれば良いかな」

竹田はディフェンスにおいて、昨シーズンから変化を感じ取っていた。ディフェンスファーストのチームになるための階段は少しずつ上がっているが、ディフェンスが出来てもオフェンスで得点を稼げないと勝利はない。

「もう少し頼れるオフェンスを作っていかないといけない」

竹田はそう課題を示す。

横浜ビー・コルセアーズの竹田謙Ⓒマンティー・チダ

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「連敗をしないことが大事」

さらにインタビューの最後にそう言い残した。これまでだと、こういう敗戦で次戦に影響していた。GAME2ではリードを許す場面もあったが、76-63と勝利。島根を下して3勝3敗とし、中地区2位に躍り出た。この後、新潟、名古屋Dと昨シーズンチャンピオンシップに出場したチームとの試合が続く。ここで互角の勝負が見えてくれば、上位浮上していくだろう。