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今季はここが違う! 躍進が期待される3クラブの戦い 【Bリーグ】

2019 10/16 17:00ヨシモトカズキ
バスケットボール_イメージ画像ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

若手とベテランの融合で、京都は大黒柱の負担軽減に成功

10月の上旬に開幕したBリーグは延期のアルバルク東京対サンロッカーズ渋谷戦2試合を除き2節まで終了。まだまだ今季を占う上では不透明な部分はあるが、「今季は違うぞ」という意気込みが感じられるクラブも多い。

その一つが京都ハンナリーズ。昨季はあと一歩でチャンピオンシップ出場を逃したが、今季は躍進の予感が漂う。しかし今オフの補強状況は決して良いと言えるものではなく、司令塔の伊藤達哉が大阪エヴェッサに、貴重なウィングプレーヤーだった晴山ケビンが千葉ジェッツに移籍してしまった。

主軸の移籍で戦力が低下すると思われたが、初のフルシーズンを戦う#6中村太地が及第点の活躍。またシーホース三河から移籍した#8村上直、#16松井啓十郎が、この2シーズンのうっぷんを晴らすような活躍を見せている。特に松井はシューターとして、#32ジュリアン・マブンガ、#50デイヴィッド・サイモンの大黒柱と良好なコンビネーションで得点を量産している。

そんな中、最も大きな存在になっているのが#43永吉佑也だ。昨季は自身の不祥事で終盤の復帰となったが、永吉がいない間は日本人ビッグマンが不在。マブンガ、サイモンをサポートできる選手がおらず、結果的に両選手とも40分に近い平均出場時間になった。今季は永吉がバックアップにいるため、マブンガはいまのところ4分弱出場時間が減少。サイモンは大きく変化はないものの、今後永吉の試合勘が戻ってくれば負担が減るのは確実だ。

永吉がいることで起用法においても様々なバリエーションが生まれ、ケガから復帰の#12岡田優介が復調すれば、得点力がさらに上昇する見込みもある。大黒柱とベテラン勢の健康状態が良好であれば、今季は地区優勝も見えてくる。

「本気度」が見える川崎、守り勝つバスケットに路線変更か?

Bリーグ2年目以降、悔しいシーズンが続いている川崎ブレイブサンダースは補強に成功した。#24大塚裕土、#27熊谷尚也、外国籍選手で#21マティアス・カルファニ、#35ジョーダン・ヒースを獲得。大塚と熊谷はまだ良さを出し切れていないが、外国籍選手はそれぞれ持ち味を発揮している。機動力のあるカルファニは#22ニック・ファジーカスに偏っていたオフェンスにアクセントを加えている。得点はまだ物足りないが、ドライブとミドルレンジのシュートが安定すればこの数字は自然と伸びてくるだろう。

こうしてオフェンス力アップを図ったかに見えた川崎だが、意外にもディフェンスが大きく改善。まだ数試合とはいえ平均失点は60点台と、ここ数年でダントツ。その要因はヒースで平均出場時間が30分未満ながら、リバウンド12.5本。腕が長く、身体的な利点を生かしている。

大塚、熊谷、#14辻直人と本領発揮できていない日本人選手が多く、4連勝していながらまだ伸びしろがある今季の川崎は脅威の存在だ。

主軸不動の名古屋Dは、精度アップが上位へのカギ

先述した2クラブとは違い、名古屋ダイヤモンドドルフィンズは主軸を変えないまま、今季に臨んだ。若手が多いだけに各選手の成長に賭けた形だが、日本代表でW杯に出場した#9安藤周人のほか、#12中東泰斗、#21笹山貴哉らが昨年同等の活躍を見せている。

課題だったディフェンス面では、昨季途中に加入した#20ヒルトン・アームストロングが「門番」として君臨し、平均2本のブロックに加えて、8.8リバウンドを記録。チームの平均失点は15点減少でブロックは2本アップと、ディフェンスの向上に貢献している。

このチームはリーグでもトップクラスの精度を誇り、昨季同様平均アシストは20本を超え、今季も上位を維持する。変化よりも継続を選んだ名古屋Dは、強固な組織力で優勝を目指す。