西宮はドイツ出身のフィッシャーHCに
発足から4季目を迎えるBリーグの新たなシーズンがB1は10月3日に、B2は9月20日に開幕する。シーズンインに向けて各クラブの動きが活発になり、8月9日にはB2に属する西宮ストークスとバンビシャス奈良が、新ヘッドコーチ(HC)をお披露目。両クラブはともに、外国人HCを招聘した。
昨季34勝26敗、中地区6チーム中3位で終えた西宮の指揮官は、ドイツ出身のマティアス・フィッシャーが新たに務める。現在48歳のフィッシャーHCはドイツのプロバスケットボールリーグ、ブンデスリーガで指揮を執るなどヨーロッパでキャリアを重ね、ドイツ代表のアシスタントコーチも務めた経歴の持ち主。西宮は昨季にセルビア出身のミオドラグ・ライコビッチがHCを務めたのに続き、ヨーロッパ出身者をHCに迎えた。西宮の渡瀬吾郎社長は、これにはヨーロッパスタイルを推し進めたい意図があるとして、次のように語った。
「昨季はヨーロッパスタイルのバスケットボールが選手に染みつき、チームがバージョンアップした手応えがありました。ヨーロッパスタイルは、NBAにも浸透しています。フィッシャーHCには昨季積み上げたものの上に自身の良さを上乗せして、チームを作ってくれることを期待しています」
続いてフィッシャーHCがシーズンへの意気込みを語った。
「ヨーロッパではピックアンドロールが多く、ボールを速く動かすスタイルが主流です。今はまだ選手たちのことをよく知る段階ですが、我々には良いシューターが揃っています。アグレッシブにディフェンスを仕掛けて、速い展開のバスケットボールをお見せできるでしょう」
会見後にフィッシャーHCに単独インタビューの時間をもらい、昨季のスタッツを提示して伸ばすべきところ、改善すべき点を解説してもらった。
「今季の目標のひとつは、全員で走ってボールを回して、その日に調子がいい選手にオープンでシュートを打たせることです。昨季の2Pシュートの成功率51.6%はまずまずですが、これはもっと高めていけるはず。西宮にはインサイドに強いブラッドリー・ウォルドー選手がいて、彼がペイント内でボールを持てば、ほぼ得点してくれると期待しています。何度もインサイドにいいボールが入れられれば、この数字は間違いなく高められる。ターンオーバーとアシストの比率も、重要な数字です。昨季のアシストの数から見て、西宮はボールをシェアすることに長けているチームであることがわかります。そこを伸ばしたうえで、ターンオーバーは間違いなくひとケタにしないといけません」
そして、こう付け加えた。
「とはいっても、スタッツはあくまで数字です。シーズンを通してチームを成長させ、最終的にはすべてにおいて昨季を上回った結果を残すことを目指します」
西宮は走るバスケで、2017-18シーズン以来のB1復帰を目指す。