「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

Bリーグ三河、琉球に敗戦もシェーファーアヴィ幸樹の影の貢献光る

2021 11/12 11:00窪島亮
シェーファーアヴィ幸樹,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

西地区上位対決

9勝2敗でB1リーグ西地区1位の琉球と8勝3敗で3位の三河が11月10日に激突し、74対72で琉球が制した。敗れはしたものの、日本代表の三河・シェーファーアヴィ幸樹は泥臭いプレーで貢献し、存在感を放った。

三河はポイントガードながらリバウンドも取るアグレッシブさが魅力のカイル・コリンズワース、若き点取り屋の角野亮伍と西田優大のコンビに驚異的なオフェンス力を有するダバンテ・ガードナーという先発の5人はかなりレベルが高く、控え選手もこのレベルまでプレーを高めることができれば、盤石の体制を築くものと考えられていた。

一方の琉球はキャプテンの田代直希が前節の新潟戦の第1戦で膝に大ケガを負い戦線離脱。2年連続リバウンド王のジャック・クーリーも体調不良でロースターを外れ、ドウェイン・エバンスも試合に出る気配がなく、戦力的にかなり厳しいと思われた。先発選手としては小寺ハミルトンゲイリーとアレン・ダーラムが代役となるパッチワークのメンバーとなった。

試合が始まると、シェーファーのリバウンドは安定感抜群で強さを感じられた。オフェンス面では揃って三河2年目となるコリンズワースの息がまだ完璧には合っていないようでパスが繋がらない場面が見られたが、ディフェンスでは盤石だった。

わずか2点差で逆転負け

第1Qは今村佳太の3ポイントシュート成功が大きく、琉球が試合を優位に展開した。ガードナーの3ポイントシュートやゴール下シュートで最終的には三河が逆転したが、15対13と僅差の展開だった。

第2Qに入ると三河の角野亮伍、西田優大の若手コンビの3ポイントシュートが入り始め、5分33秒にシェーファーをラインナップに戻したことで安定感を増す。徐々に点差を広げ、最後はファウルからシェーファーがゴール前へ走り込み相手の反則を誘発。シェーファーがフリースローを追加して35対24で折り返した。

第3Qに入っても三河のリードは続いたが、徐々に点差を詰められる嫌な展開となった。シェーファーが3ファウルを犯して5分47秒にベンチに退き、代わった根來新之助の流血でいったんは試合に戻るものの、ダーラムの攻撃を止められず52対45と7点差になった。

第4Qに入るとダーラムの大爆発に牧隼利もゴールを成功させ、琉球がジリジリと点差を詰める展開。最後は岸本隆一が3ポイントシュートを沈められ、さらにジャンプシュートで逆転を許した。最後は小寺がファウルを受けて万事休す。わずか2点差ではあったが、74対72で琉球が西地区の頂上決戦を制した。

泥臭いプレーで貢献したシェーファー

三河の控え選手は悪くはなかった。特にポイントガードの長野誠史は19分11秒ものプレータイムを与えられ、自ら点を取りに行っても周囲を生かしても効果的なプレーをしていた。

ジェロード・ユトフも貴重なビッグマンとしてプレーしていた。ベテランの柏木真介もここぞという場面での3ポイントシュートなど良い味を出していた。

ただ、控え選手は根来を入れて4人、どうしても先発の5人に代わって出場すると、見劣りしてしまう。橋本晃佑や細谷将司が戦線に戻ってくれば解消される問題なのだろうか。先発の5人の安定感が段違いなだけに、少し不安視してしまう。

シェーファーは得点も少ないし、リバウンドでもコリンズワースのような派手なパフォーマンスをするわけではない。しかし、人の見ていないところで走り込み、西田の3ポイントシュートをお膳立てするなど、影の貢献が目立った。

三河ではコリンズワースが角野、西田、ガードナーのオフェンス陣を操る体制が確立しているだけに、シェーファーのような泥臭い貢献は不可欠だ。できればディフェンス面で目立った数字が残る活躍をすればチームも圧勝できるのだろうが、それは今後の楽しみとして成長を見守っていきたい。

【関連記事】
【Bリーグ】群馬クレインサンダーズは台風の目?ホーム初勝利で攻撃力証明
【Bリーグ】サンロッカーズ渋谷が大逆転勝利!ベンドラメ礼生らが躍動
Bリーグ千葉ジェッツがアルバルク東京に雪辱、富樫勇樹が異次元の能力証明