開幕戦は山梨QBが勝利 アジアカップMVP本橋を擁する東京羽田に隙を与えず
2019-20シーズンWリーグの開幕戦は、東京羽田と山梨QB。この試合はFIBAアジアカップ2019で日本代表の4連覇に貢献し、大会MVPを獲得した東京羽田・本橋の凱旋試合となった。しかし、山梨QBがそんなお祝いムードを打ち崩した。
昨シーズンの山梨QBは2勝20敗。今シーズンから伊與田好彦HCが就任し、目指すプレースタイルとして、“低く・強く・速くプレーできる”、“誰かに頼るのではなくチームで攻防を行えるチームを目指す”をメインに掲げている。東京羽田ボールからスタートした試合において、2-3ゾーンディフェンスで奇襲をかけて、それが功を奏して勢いに乗って勝利することができたのだ。まさに“低く・強く・速く”を出だしからやった結果だった。
開幕戦では開始早々、山梨QBは2-3ゾーンディフェンスで東京羽田に立ちはだかる。試合は互角に進むが、徐々に山梨QBのゾーンディフェンスが圧力を増していく。残り6分57秒、東京羽田が司令塔#12本橋菜子をベンチに下げたのを見計らって、山梨QBはフロントコートからのプレスディフェンスに切り替える。東京羽田がアウトサイドからシュートを放つが得点には繋がらず、反して、山梨QBは#74水野菜穂がバスケットカウントを成功させて3点を追加するなど、一気に突き放していく。
その後も強度をあげたディフェンスで勝負する山梨QB。ファウルの回数を重ねるも強度を落とさない。東京羽田#20鷹のはし公歌に3pを含めた5点を許して同点に持ち込まれるシーンもあったが、ディフェンスの激しさは一定していた。そんな中、ルーキーの#13若原愛美がスティールからファストブレイクでリードし、東京羽田も鷹のはしの3pで追走する。山梨QBが抜け出して東京羽田が追いつくという展開が続いていくが、最終的に山梨QBが1点リードで終了した。
2Qに入ると、1Qの終盤からコートに戻っていた東京羽田・本橋に速攻から得点を許す。以降しばらくは両チームとも激しいディフェンスで膠着状態となっていたが、本橋のアシストから試合が動く。東京羽田のルーキー#21尾﨑早弥子に勝ち越しとなる得点を許すと、続いて#6星澤真が2本のシュートを決めて東京羽田にリードを広げられる。猛追を何とか踏ん張っていた山梨QB。前半最後は若原の3pなどで34-32で終了した。
Ⓒマンティー・チダ
後半に入ると、前半の立ち上がりと同じように山梨QBが激しくディフェンスを強固に戦っていく。セカンドチャンスから若原が口火を切ると、水野のレイアップ、#23横井美沙の3pを含む5得点などで逆転に成功。東京羽田に3点リードする。東京羽田・本橋も積極的に得点へ絡むものの、両チーム共に決め手を欠いてスコアが3点差から動かなかった。終盤になって、山梨QB #47内堀紫菜のシュートでリードを6点にして4Qへ。
4Q。依然として山梨QBの激しさは変わらない。#18岡萌乃と水野の得点で山梨QBはリードを8点まで広げる。東京羽田はファウルを重ねながらも、これ以上山梨QBから離されないように食い下がるが、山梨QB・星田が東京羽田のファウルから獲得したフリースローを決めて、点差を広げていく。
取りこぼしが許せない状況の東京羽田が星澤の得点を皮切りに、鷹のはしの3p、本橋のバスケットカウントも決まり7点差まで追い上げ、ここから一気に逆転としたかった東京羽田。対して、山梨QBは残り4分33秒のタイムアウト以降で粘り腰を見せて、東京羽田に付け入れる隙を与えなかった。結局終わってみれば73-61で山梨QBが東京羽田に勝利。開幕戦を白星で飾った。