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イチロー、新庄、松井秀……日本人野手の扉を開いた平成のメジャーリーガーの記録

2019 4/3 11:00青木スラッガー
新庄剛志,イチロー,松井秀喜,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

2001年からはじまった日本人野手のメジャー挑戦

平成の30年間にあった野球界の変化といえば、日本人選手のメジャー進出がある。野手としては2001年にイチローと新庄剛志が初めてメジャーデビュー。2人に続き、以降は次々と日本人野手が海を渡っている。

イチローは2019年シーズンの開幕カードでメジャー19年の現役生活に別れを告げた。これを機に、日本人野手がメジャーで残してきた功績を各記録のランキングと照らし合わせながら、振り返ってみたい。(イチローは2019年シーズンまで、他の打者は2018年シーズン終了までを対象)

安打はイチロー、本塁打は松井秀

安打

安打のトップはもちろんイチロー。16年目の2016年にメジャー史上30人目、アジア人として初の3000本安打を達成し、通算3089安打として今季開幕カードでバットを置いた。

2位の松井秀喜は1000本超えの1253安打、日本でデビューから5年連続100安打以上の青木宣親は、774安打で3位。

4位の松井稼頭央は、2007年ロッキーズ時代にワールドシリーズに出場し、4シーズンでレギュラー格として100安打以上を達成。内野手にメジャー挑戦の道を切り開き、井口資仁、岩村明憲らの成功につながった。

本塁打

松井秀とイチローの2人だけが100本塁打を超えた。渡米前年度に巨人で50本塁打を放った松井秀は、メジャー初年度16本塁打にとどまったものの、2年目には31本塁打を放つなどスラッガーとして成功。

イチローは、シーズン262安打の記録をつくった翌年の2005年に自身最高の15本塁打を放つなど、3度のシーズン2桁本塁打を記録している。

ほかに城島健司、福留孝介、井口とホームランバッターだった選手も活躍したが、NPB時代に比べるとやはり本数は少なかった。だが、昨季は大谷翔平が日本人メジャー1年目として最多の22本を放ち、打者一本でプレーする今季に期待が高まっている。

打点

打点でもイチローがトップだ。1年目に自身最高の69打点を挙げ、マリナーズ時代は60打点以上を5度記録している。10年のプレーでイチローに迫った松井秀は、シーズン100打点以上を4回。

他に中軸打者として長年プレーした選手がおらず、3位はリードオフマンタイプの青木の219打点となっている。

松井稼がイチローに次いで通算盗塁数2位

敬遠四球・四球

敬遠四球の数を見ると、イチローのすごさを改めて感じることになる。通常の四球は647個と、松井秀の547個より100個多いだけだが、敬遠四球は146個多い181個。

シーズン最高では、2年目に27個ものリーグ最多の27敬遠を記録。メジャー通算の得点圏打率は.308を記録するなどチャンスに強く、勝負を避けられることが多かった。

盗塁

メジャー史上38人目となる500盗塁を達成したイチロー。2位は、シーズン最高で32盗塁を決めた松井稼。この2人の成功率はイチローが.813、松井稼が.850と、8割を超える失敗の少なさだった。

3位は1年目に30盗塁した青木。NPB通算13盗塁の大谷はあまり打席が多くない中、1年目から10盗塁を決めており、これから打者としては足も武器になっていきそうだ。

イチローが唯一の通算打率3割、松井秀が唯一の通算OPS.800超え

打率

打率.311で引退したイチローは、日本人打者で唯一の3割超えとなっている。2位は青木宣親の.285。

日本で首位打者3度、通算打率歴代1位の青木が3割に届かなかったことが、メジャーのレベルの高さを感じさせられてしまうところだ。4位は松井秀で、次に控えとして出場が多かった田口壮が打率.279をマークしている。

出塁率
長打率
OPS

出塁率は.360で松井秀がトップで、2位に福留が入る。福留は、IsoD(出塁率から打率を引いた選球眼の良さを表す指標)が.101となり、NPB通算よりも高い。

3位のイチローに続いて青木が4位。シーズン打率3割を達成できなかった青木だが、毎シーズン3割5分程度の出塁率を維持し、1・2番打者として何年もレギュラーで活躍することができた。

長打率は、やはり松井秀がトップ。長打率と出塁率を足したOPSは.822となり、日本人唯一の通算OPS.800以上となっている。OPSは長打の多い打者が高くなりやすい指標だが、ここでもイチローは通算.757で日本人2位だ。

※成績は3月31日時点。打率、出塁率、長打率、OPSは1000打数以上を対象