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軸は安定のゴールドドリーム 菜七子騎手のコパノは?馬場適性から見たフェブラリーS

ゴールドドリーム,ⒸJRA
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ⒸJRA

パワーとスピードが要求される馬場

2019年のJRA最初のGⅠレース、フェブラリーS(ダート1600m)。砂の王者の座をかけて熱い戦いが繰り広げられる。今年は、コパノキッキングに騎乗する藤田菜七子騎手がJRAの女性ジョッキーとして初めてGⅠに騎乗するということで注目を集めている。今週も、馬場状態と馬場適性に着目した分析、予想を行っていく。

先週の東京競馬場は、降雪の影響が懸念されて土曜日の開催が月曜日に順延となった。日曜日のダートコースは、重馬場でスタート。7レースから稍重に、さらには月曜日には良馬場に回復したが、タイムに目立った差は見られず、日曜日の10レース、バレンタインS(OP・1400m)の勝ちタイムは1.24.6と全体的に時計がかかっていた。また1週間を通して、上がり平均は37.3と凍結防止剤を散布している冬場のダートらしく、ややかかり気味だった。

しかし、バレンタインSを勝ったサングラスが35.7、月曜日8レースのニシノジャガーズが35.5をマークしていることからも、GⅠのフェブラリーSでは35秒前半から36秒程度の速い上がりが要求されると推測する。

天気予報を見ると、日曜日は晴れ予報だが、金曜日に雨または雪予報が出ていることからも湿り気味の良馬場、もしくは稍重で行われると仮定して予想を行なっていく。

軸として信頼するゴールドドリーム

今回推奨したい本命馬は、2017年のチャンピオンズカップ以降、全て2着以上と安定した走りを続けているゴールドドリームだ。

分布図,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

東京コースでは2017年にフェブラリーSを制するなど、(3,2,0,0)と相性は抜群。JRAの馬場で良または稍重だった際の平均上がりは36.4と、今のパワーとスピードが要求される馬場にはうってつけだ。軸としての信頼度は極めて高い。

対抗はサンライズノヴァ。馬場適性予想コラムでは、チャンピオンズC、根岸Sに続いて3度目の登場となるが、いずれも残念な結果に終わった。しかし、今回はベストの東京1600mだということに加え、前走の敗因でもある乾燥したダートではなく、最も得意とする少し湿った馬場になりそう。3度目の正直で、今度こそ馬券圏内に好走して欲しい。

3番手は現在6連勝中と勢いがあるインティ。良、稍重で使った平均の上がりは36.5だが、圧倒的なスピードを兼ね備えており、前走は力のいる中京1800mで1.49.8、上がり35.9で駆け抜けた。これはチャンピオンズカップよりも0.3秒速く、力は通用すると考える。GⅠの舞台であっさりと勝つことも十分ありえるだろう。

コパノキッキングは距離延長が不安

以下、サンライズソアとノンコノユメを押さえておきたい。サンライズソアはJRAで行われた良、稍重時の平均上がりは37.4と一見すると完全なパワータイプに映る。しかし、今回と同じ東京1600mで行われた2017年の武蔵野Sでは、番手から35.3の末脚を使って2着となっている。それだけに先行馬が残る展開にさえなれば、大駆けがあるかもしれない。

ノンコノユメは昨年のフェブラリーSを優勝。追い込み脚質で展開に左右されるが、インティが速い流れを作り出し、差しが届く展開になれば、チャンスは十分だ。1600mへの距離短縮は間違いなくプラスで侮れない一頭だ。

最後に藤田菜七子騎手騎乗のコパノキッキングについても触れておきたい。前走の根岸Sは圧巻のレースだった。しかし、今回は更なる距離延長で対応できるかどうか不安が残る。前走で騎乗したマーフィー騎手は、距離延長に否定的なコメントを残している。過剰に人気を集めることが予想されるだけに、今回は馬券からは外してみたい。 もしも、馬券圏内に来るとすれば、後方で脚をためたカペラSの時のような乗り方をした時だろう。当たりの柔らかい藤田騎手がどのような騎乗を見せるのか注目したい。